キプロスを「B」に格下げ、追加銀行支援の可能性=フィッチ

[ニューヨーク 25日 ロイター] 格付け会社フィッチ・レーティングスは25日、キプロス政府が銀行部門に対し追加金融支援を実施する必要に迫られる可能性があるとして、同国の格付けを「BBマイナス」から「B」に引き下げた。
フィッチは「貯蓄銀行の資本需要は依然として不透明となっている」とし、「これを含めた銀行部門全体の資本増強必要額は100億ユーロに上る可能性がある」とした。
見通しは引き続き「ネガティブ」とし、ユーロ圏諸国と協議している金融支援をめぐる政策の不透明性を反映しているとした。
同国への支援プログラムに関する最終的な合意は3月になる可能性があるが、フィッチは、支援プログラムについて、14億ユーロの債券償還を迎える6月3日までに実施されるとの見方を示している。
最大で総額175億ユーロに達するとみられる支援プログラムの内容を踏まえ、同国債務の対国内総生産(GDP)比率が今年は140%を超えるとの見方を示した。これまでに示していた120%のピーク水準予想を大きく上回っており、ソブリン債の信用力を大きく押し下げる要因になっていると指摘。「銀行の損失や資本所要額に関するフィッチの試算は、今後の事態の進展とともに変化する様々な推測に基づいており、推測される状況の影響を非常に受けやすい」としている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab