米国内便で遅延・欠航1万便超、システム不具合 週内影響も

[ワシントン/シカゴ 11日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)は11日、夜間に生じたシステムの不具合により、米国内の全ての出発便に運航停止を命じたと発表した。約90分後に停止令は解除され、運航は徐々に再開しているものの、正常化にはなお時間がかかりそうだ。
航空機の運航状況を追跡するウェブサイト「フライトアウェア」によると、約9600便が遅延し、1300便強が欠航した。米国の全便が運航停止となるのは、2001年9月11日の同時多発攻撃後の全面停止以来となる。
影響を受けた便数はなお増加しているが、航空会社の関係者らは、新たな問題が発生しなければ12日までにほぼ通常通りの運航を再開できるとの見方を示した。
米航空大手のサウスウエスト、ユナイテッド、デルタ、アメリカンは11日の運航便の4割以上が遅延か欠航したと報告している。
FAA当局者らは、初期調査でデータベースファイルの破損がシステム障害の原因と特定されたと述べた。サイバー攻撃の可能性は示されておらず、調査は継続しているという。関係者によると、ファイルの破損でメインとバックアップ両方のシステムに障害が発生したという。
ブティジェッジ運輸長官はCNNに対し、航空便に情報を通知するシステムが正常に稼働し、サイバー攻撃の直接的証拠がないことを確認する必要があったため、運航停止は「正しい判断」だったと述べた。
米連邦航空局(FAA)は11日、夜間に生じたシステムの不具合により、米国内の全ての出発便に運航停止を命じたと発表した。その後、停止令は解除され、運航は徐々に再開しているという。2022年12月撮影(2023年 ロイター/Jennifer Gauthier)
記者団に、バックアップシステムを10日に作動させたが稼働状態に疑問が生じたため、11日午前7時30分(日本時間午後9時30分)ごろに運航停止令を出すに至ったと説明。停止令は約90分後に解除された。
FAAの文書によると、パイロットに安全に関する情報を通知するシステムに障害が発生したのは米東部時間10日午後3時30分ごろだった。
米旅客機パイロット協会(APA)の幹部、クリス・トレス氏は13日まで影響が続く可能性があると述べた。
米上院商業委員会のカントウェル委員長(民主党)は調査を行う方針を示した。
ブティジェッジ長官は一方、FAAがシステム障害の影響を受けた顧客に運賃を払い戻すべきとする見方を否定した。
物流大手のフェデックス、UPS、DHLは11日時点で混乱は最小限とした。
*動画を付けて再送します。

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