英金融業界、移行期間の早急な計画求める EU離脱案否決受け

英金融業界、移行期間の早急な計画求める EU離脱案否決受け
 1月15日、英議会下院が欧州連合(EU)と英政府が合意した離脱案を否決したことを受け、英金融業界関係者は、市場の混乱を招く「合意なき離脱」を回避するために、移行期間の計画を早急にまとめる必要があると指摘した。写真はロンドン金融街シティーで昨年1月に撮影(2019年 ロイター/TOBY MELVILLE)
[ロンドン 15日 ロイター] - 英議会下院が15日に欧州連合(EU)と英政府が合意した離脱案を否決したことを受け、英金融業界関係者は、市場の混乱を招く「合意なき離脱」を回避するために、移行期間の計画を早急にまとめる必要があると指摘した。
EU離脱案は反対432、賛成202と予想以上に大差で否決された。
銀行業界団体UKファイナンスのトップ、スティーブン・ジョーンズ氏は「合意なき離脱を回避するための時間は少なくなっている。合意なき離脱となれば、英経済にとって大参事だ」と指摘した。
離脱案には、2020年12月までの移行期間が盛り込まれていたが、欧州の銀行業界団体AFMEは15日、この移行期間が秩序ある離脱には不可欠だとの見方を示した。
代替案が提示されない場合、英国は3月29日にEUから合意なき離脱をする。また、離脱日が延期される可能性もある。
ロンドン金融街シティーの自治体であるシティー・オブ・ロンドンのキャサリン・マクギネス氏は「議会の大多数が無秩序な離脱に反対していることは好ましい。(離脱の)先延ばしなど、何らかの形での移行期間が焦点になる」との考えを示した。
英国とEUの当局はともに、合意なき離脱の緊急対応策を策定しているが、マクギネス氏は、小規模企業は準備する時間が十分にないと説明した。
英金融街では移行期間を求める声が大半だが、その後の策については見方が分かれている。非EU加盟国でありながらEU単一市場に参加する代わりに、EU予算に貢献し、EU規定が適用される「ノルウェー型」を求める声もある。

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