AIIB、アジアのインフラ需要に資する=日銀総裁

AIIB、アジアのインフラ需要に資する=日銀総裁
 5月2日、黒田東彦日銀総裁(写真)は、横浜市内で開かれたアジア開発銀行研究所(ADBI)などの主催によるイベントで講演し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が中国主導で設立され、アジア内外から多くの国々が参加していることは、アジア域内の旺盛なインフラ需要に応えるためにもいいことだと語った。写真は都内で4月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[横浜 2日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は2日、横浜市内で開かれたアジア開発銀行研究所(ADBI)などの主催によるイベントで講演し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が中国主導で設立され、アジア内外から多くの国々が参加していることは、アジア域内の旺盛なインフラ需要に応えるためにもいいことだと語った。
総裁は、アジアのインフラ需要は「非常に大きい」とし、アジア開発銀行(ADB)と世界銀行だけでは「この需要をすべて満たすことは不可能だ」と指摘。中国がAIIBの設立を主導し、アジア内外の国々が加盟していることは「いいことだ」との認識を示した。
日本や中国、インドなど域内の主要国が健全な競争を促進することによって、アジア経済の成長にも資する、との考えも示した。
また、シリアや北朝鮮の情勢などをめぐって地政学的リスクが意識される中、総裁は地政学的な対立や紛争は「誰のためにもならない」と強調。「政治的な知恵によって、回避されなければならない」と語った。
講演では、アジアのさらなる成長に向け、貧困削減の重要性を指摘。貧しい人々が金融サービスへのアクセスを得ることが「さまざまな経路で貧困からの脱却を手助けする」とし、金融面からの取り組みも「重要な役割を果たす」と語った。

伊藤純夫

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