ナゴルノのアルメニア系行政府が解体宣言、住民半数以上が避難

ナゴルノカラバフのアルメニア系行政府、来年1月1日に消滅へ
 9月28日 アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフのアルメニア系住民の行政府であるアルツァフ共和国が2024年1月1日に消滅することになった。写真は25日、ステパナケルトで撮影(2023年 ロイター/David Ghahramanyan)
[ゴリス(アルメニア)/モスクワ 28日 ロイター] - アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフのアルメニア系住民の行政府「アルツァフ共和国」は28日、2024年1月1日に解体すると宣言した。
ナゴルノカラバフとアルメニアの当局は、「アルツァフ共和国」のサンベル・シャフラマニャン大統領が24年1月1日に全ての国家機関を解散する法令に署名したと表明した。
ロシア通信(RIA)によると、アゼルバイジャンによる19─20日の軍事行動を受け、ナゴルノカラバフの約12万人のアルメニア系住民のうち、これまでに7万0500人がアルメニア国内に避難した。
インタファクス通信によると、アルメニアのパシニャン首相は「現状を分析すると、向こう数日以内にナゴルノカラバフからアルメニア人はいなくなる」とし、「これはアルメニア人に対する民族浄化」だと改めて非難した。
アゼルバイジャンはこうした非難を否定。アルメニア系住民を強制的に退去させていないとし、ナゴルノカラバフ地域を平和的に再統合し、アルメニア系住民の公民権を保障するとしている。
アゼルバイジャンのエリン・スレイマノフ駐英大使はロイターのインタビューに対し、アゼルバイジャンはナゴルノカラバフからの集団脱出を望んでいないとし、ナゴルノカラバフにとどまることを選択したアルメニア系住民に安全でより良い生活を提供するというアゼルバイジャンの確約を証明する機会がまだ得られていないと語った。
アゼルバイジャンとアルメニアは共に旧ソ連構成国。ロシア大統領府(クレムリン)は28日、ナゴルノカラバフに駐留しているロシアの平和維持部隊が住民に支援を提供しているとし、ロシアはこの地域の人道状況を注意深く監視していると表明。ただ、プーチン大統領がアルメニアを訪問する予定は今のところないとした。

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