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- 映画『アイネクライネナハトムジーク』出演者&監督ロングインタビュー
- 第1回 三浦春馬の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
撮影:是枝右恭 ヘアメイク:倉田明美(Cinq NA) スタイリスト:岡井雄介
映画『アイネクライネナハトムジーク』出演者&監督によるロングインタビュー。
「人生を変えるような出会い」となった本の話をはじめ、映画への思い入れや、仙台ロケ中の裏話などを語っていただきました。
笑顔の爽やかなイケメンからドラッグクイーン、逃亡犯、そして今作の普通のサラリーマン役まで、幅広い演技力で魅せる俳優、三浦春馬さん。人気・実力ともにトップを走る彼が出会った「人生を変えた本」とは? それは表現者としての感性を揺さぶるものでした。
心が洗われた、星野さんの美しく温かい言葉
星野道夫さんは、アラスカの大自然と動物の写真を撮り続けた写真家・随筆家で、ヒグマに襲われて亡くなってしまったのですが、何冊も本を出されています。写真はもちろん、言葉もとても美しくて。自分の調子が悪かった時、彼の使う言葉に癒され元気づけられました。
なかでも印象深いのは、アラスカの住まいで窓を開けていたらベニヒワという頭とお腹が真っ赤な小鳥が部屋に入ってきて、妻とそれを見ながら幸せを感じるというお話。幸せを感じさせてくれるこの環境と妻の存在に感謝したいという星野さんの思いが、すごくきれいな言葉で綴られているんですよ。また、東京での暮らしを書いている章もあって、アラスカで書いている時の文章と、言葉の使い方や並び方が全然違うんです。人は環境に応じて選ぶ言葉が違うんだなと面白く感じました。
星野さんの本に出会ってから、いつかアラスカに行きたいと思うようになりました。彼が住んで感じた、自然と共存して生きていくなかで生まれるインスピレーションを自分も体感したい。きっと、すごく癒されるし、生きていく上で励みになる気がするんですよね。今はまだ叶っていませんが、いつか必ず行きたいなと思っています。
アラスカの雄大な自然と美しくも厳しい動物たちの生き様、先住民族の人々や開拓時代にやってきた白人たちとの生と死が隣り合わせの生活などを綴った33編を収録。丁寧に綴られた温かな文章が心に染み入るエッセイ本。
役者としてのターニングポイントになった大切な1冊
24、25歳くらいの時かな。テネシー・ウィリアムズ戯曲の「地獄のオルフェウス」をやった時に、プロデューサーから「面白いから読んでみて」と公演期間中に渡されたんです。ロシアの演出家、コンスタンチン・スタニスラフスキーが名優たちの演技を研究し、実験と検証によって俳優の訓練法を確立。その訓練の仕方が書かれているのですが、とても興味深い内容でした。自分の演技のスタイルというか、芝居のアプローチのひとつとして新しいエッセンスをもらった気がします。
ロシアの演出家コンスタンチン・スタニスラフスキーが名優たちの演技を研究。共通点を見つけ出し、実験と検証によって俳優の訓練法を確立。俳優たちに多大な影響を与え、これにより映画界・演劇界は大きく変わった。
みうら はるま
1990年、茨城県生まれ。97年NHK連続テレビ小説「あぐり」で子役としてデビュー。06年ドラマ「14歳の母」で注目を集め、07年映画「恋空」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。多くの映画、ドラマ、舞台でヒット作を連発した。王子系からシリアスな役、コメディタッチまで、あらゆるジャンルを演じる俳優として人気を確立。放送中のフジテレビ系主演ドラマ「TWO WEEKS」では、主題歌を担当するなど幅広い才能を発揮。
バックナンバー
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第1回 三浦春馬の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
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