保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと

保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと

今は小学校受験も珍しいことではなくなりつつあるので、「保育園だと受験に不利」というウワサを気にする保護者も多いと思います。
今回はこの問題について解説していきますが、結論から言いますと、子どもが幼稚園ではなく保育園に通っているからといって、小学校受験に不利ということはありません。
「保育園だと小学校受験に不利」というウワサの実態や、小学校の選び方、お受験前に準備しておくべきことなどをまとめて解説します。

保育園だと小学校受験に不利って本当?

保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと
小学校受験を検討される保護者の中で、情報収集をする中で、「保育園だと小学校受験に不利」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。
確かに保育園では就学前の準備(文字の読み書き、簡単な算数)を行うものの、主な目的は「保育」です。
そのため、基本的には「子どもの身のまわりのお世話」「発達を促す“遊び”」がメインになっています。
一方、幼稚園は「教育」が目的なので、ワークや視覚教材を用いたり、講師を招いての学習を行ったりします。
こうした目的の違いから、「小学校受験をするなら幼稚園の方がいい」という言葉が生まれたのではないかと思います。
しかし実際は、小学校受験に成功した子どもの中にも保育園を卒園した子どもがたくさんいます。
就学前の教育に力を入れている保育園もあるので、「保育園だと小学校受験に不利」というウワサは正しくないのです。

小学校の種類ごとの特徴、受験のスケジュール

まず、小学校は「私立」「国立」「公立」の3つに分けられますが、この中で受験が必要になるのは私立と国立です。
そこで、私立小学校と国立小学校の特徴と、受験のスケジュールについてチェックしていきましょう。

私立小学校の特徴と受験のスケジュール

保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと
私立小学校は、学校法人が運営する小学校です。
授業料は有償で、入学には試験に合格する必要があります。
基本的な教育内容は「学習指導要領」にもとづいていますが、学校独自の学習内容を含むことも少なくありません。
教育方針や校風、特色がはっきりしているので、より子どもの個性に合った学校選びが大切です。

私立小学校の受験スケジュール例
 

4~5月:学校説明会・学校見学
6~7月:願書作成準備
8月:願書受付スタート(神奈川)
9月:願書受付スタート(東京)
10月:面接・試験スタート(神奈川)
11月:面接・試験スタート(東京)

受験のスケジュールは地域や学校によって異なりますが、基本的には10~11月に面接や試験が行われるというケースが多いようです。
私立小学校の場合、欠員が出れば11月以降も2次募集、3次募集をかけるケースもあります。

国立小学校の特徴と受験のスケジュール

国立小学校は、国が運営する教育機関です。一般的には国立教育大学や国立大学教育学部の附属小学校のことを指します。
これらは小中一貫、もしくは小中高一貫校がほとんどです。
また学費が無料であること、そして大学によるバックアップのもと質の良い教育が受けられるということで大変人気があります。
しかし、私立小学校よりも学校数が少なく、試験を受けるためには、まず「抽選」に当選しなければなりません。それを考えると、ハードルはかなり高くなります。

国立小学校の受験スケジュール例
 
9月:学校説明会・学校見学
10月:願書受付スタート
11月:第一次選考スタート
12月:第二次選考スタート

国立小学校の場合は9月~10月に願書配布され、面接や試験は11月以降に行われます。

さて抽選ですが、学校によって時期が異なります。

 
第一次選考(抽選)→第二次選考(能力テスト)→第三次選考(抽選)
第一次選考(能力テスト)→第二次選考(抽選)

基本的には上記の2パターンが主流です。
どの段階で抽選が入るのか、あらかじめ募集要項をチェックしましょう。

受験する小学校の選び方

保育園から受験するとしたら、どのように小学校を選べばよいのでしょうか?
注目してほしいのは次の5つのポイントです。

受験する小学校の選び方
教育理念に共感できるか

保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと
受験する小学校を選ぶときは、まず教育理念を確認しましょう。
教育理念とはその学校の目標や方針で、よくホームページやパンフレットに記載されています。

  • 子どもの個性を伸ばす
  • おおらかな心を養う
  • 子どもの主体性を育む
  • 異文化交流によって子どもの視野を広げる
  • 礼儀と規律を重んじる

こののような教育理念は学校によって異なるので、「家庭の教育方針と一致しているか」「子どもの個性と合うか」を指針として選ぶのがポイントです。
この教育理念は校風や学習内容とも深くつながっています。
保護者の教育観や子どもの性格と合わない学校を選ぶと、子どもが有意義な学校生活を送れなくなってしまう可能性があります。
見学や体験授業に参加して学校の雰囲気を把握した上で、家庭に合った学校を選びましょう。

受験する小学校の選び方
共学か女子校・男子校か

私立・国立小学校には、共学もあれば男子校や女子校もあります。
共学では、異性を含むさまざまな生徒との関わりの中で、協調性や多様性を学べます。
しかし一方で、異性の目が気になったり、性別によって役割が固定されてしまったりするデメリットもあるでしょう。
その点、男子校や女子校では異性の目を気にすることなく伸び伸びと学習に取り組めます。
ただ、エスカレーター式で共学の中学校や高校へ進学することになった場合、環境のギャップを感じることもあります。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、子どもに合った方を選びましょう。

受験する小学校の選び方
宗教教育か無宗教育か

小学校の中には、キリスト教系の学校や仏教系の学校があります。
キリスト教系の学校は、聖書や宗教の歴史に関する授業があり、礼拝やミサ、集会などのイベントが学校行事として実施されます。
仏教系の学校は、仏教に関する授業のほか、仏誕会や成道会などの仏教関連の行事もあります。
もちろん、どんな小学校に入学しても、家庭での信仰は自由です。
ただし学校では、宗教の特色を色濃く反映した教育が行われますので、宗教系の学校を選ぶ場合は、できるだけ共感できる方を選ぶほうがいいでしょう。
無宗教の学校でも、私立の場合は、オリジナリティのある教育方針を掲げているケースがほとんどです。
家庭の教育方針と合った学校を選びましょう。

受験する小学校の選び方
通いやすいか

学校は毎日通う場所ですから、通いやすさも重要です。
特に、私立・国立小学校は小学校・中学校・高校の校舎が同じ敷地内にある場合も多く、入学したら10年以上もそこに通うことになります。
「家や最寄り駅から近い」「駅から直通のバスが通っている」などの項目をチェックしてから入学を検討しましょう。

受験する小学校の選び方
学費が高すぎないか

私立・国立小学校の多くはエスカレーター式なので、小学校を卒業したら同じ法人・団体の中学校・高校(場合によっては大学も)に進学していくことになります。
つまり、入学後10年以上はその法人・団体へ学費を支払うことになります。
学費が高すぎるとその学校へ通わせ続けるのが困難になってしまうかもしれません。家計を考えた上で入学を決めましょう。
また、国立は国が運営していることから、学費が安く設定されています。
とはいえ、制服代や学用品代がかかるのは私立と同じですし、後援会費がかかるケースもあるので、あらかじめ費用の内訳をチェックしておきましょう。

保育園で小学校受験に向けて準備すべきこと保育園は小学校受験に不利って本当? 小学校の選び方と受験前に準備しておくべきこと

保育園で小学校受験に向けて準備すべきことはたくさんありますが、ここではすべての子にとって大切と思われる3つご紹介します。
保育園に通っている段階でできることをチェックして、余裕を持って受験に臨みましょう。

小学校受験の準備
塾に通うこと

早い段階から学習をスタートすることで、感覚や思考力の発達が期待できます。
より確実に合格したいなら、小学校受験のためのスクールや塾に通うのがおすすめです。
小学校受験のためのスクールや塾では、1歳~年長を対象に子どもの個性や能力を伸ばす学習が行われています。
基本的には子どもの興味を引くような知育教材を使った体験型の学習が実施されているので、子どもも遊びながら楽しく学べます。
保護者と離れて過ごす時間に早く慣れることで、就学時のギャップも軽減できます。
家庭教育の支援や子育ての相談などを実施しているのも大きなメリットです。

小学校受験の準備
お受験服の用意

お受験服とは、子どもが小学校受験の際に着るフォーマルな服です。
黒や紺、グレーなどの色を基調としたシャツや半ズボン、ワンピースなどが、例として挙げられます。
子どもの体の成長もあるので、あまり早い段階で買うと合わなくなってしまいますが、学校説明会までには用意しておくといいでしょう。
子どもだけでなく、保護者も受験に付き添うための服が必要になります。親子で一緒に通販や店頭で探してみましょう。

小学校受験の準備
学校説明会・学校訪問

私立小学校の場合は4~5月頃、国立小学校の場合は9月頃に学校説明会や学校訪問が実施されます。
これらは小学校の教育方針や校舎の雰囲気、教員の雰囲気などを知る絶好のチャンスです。
入学試験に関する情報も入手できるので、お目当ての学校の説明会には必ず訪問しましょう。
また、学校説明会・学校訪問で「個別相談」を受け付けている学校もあります。
あらかじめパンフレットや公式ホームページに目を通して、そこには載っていない情報を聞いてみましょう。

保育園児の時点で小学校受験は始まっている!準備を進めて合格を目指そう

「保育園だと小学校受験に不利」というウワサは正しくありません。保育園に通っているからといって、小学校受験に不利というわけではないのです。
受験に必要な感覚や思考力は、子どもを保育園に通わせながら、小学校受験対策のための塾に入塾させたり、家庭教育に力を入れたりすることで養うことができます。
今回ご紹介した特徴と受験のスケジュール、受験する小学校の選び方を踏まえて、合格のための準備を進めていきましょう。

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