前回女王・渡部葉月、涙の五輪消滅「またこの舞台でできてうれしかった」昨夏左膝前十字じん帯損傷 4種目やり切る

渡部葉月
渡部葉月

 ◆体操 ▽パリ五輪代表選考会兼個人総合全日本選手権 第1日(11日・高崎アリーナ)

 女子予選が行われ、昨年覇者の渡部葉月(筑波大)は、合計47・933点で47位。上位27人による13日の決勝進出はならず、パリ五輪出場が消滅した。

 渡部は、22年世界選手権の種目別平均台で金メダルを獲得。23年全日本ではオールラウンダーとして初の日本一に輝いた。しかし、昨夏に左膝前十字じん帯を損傷。「けがして最初はもう諦める気持ちもあって落ち込んだ」というが、「先生とかにも『葉月なら絶対間に合うからやれることは全部やろう』って(言われて)、また前を向けた。周りの支えて下さってる方々のおかげで諦めずに試合を迎えられる」と渡部。

 そこから約7か月で今大会を迎え、左膝にはテーピングを巻いて強行出場。苦しみながらも4種目やり通し、パリ五輪への挑戦を終えた。試合後、取材エリアに姿を見せた渡部の目には涙が浮かんだ。「ミスはあったが、悔しいよりまたこの舞台で演技できてうれしかった」と声をふるわせながら語った。

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