TARAKOさん「主役向きではない」と何度もオーディション落とされ声にコンプレックスも…さくらさんの「そっくり」が救いに

TARAKOさん
TARAKOさん

 国民的な人気を誇るフジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜・後6時)で主人公・まる子の声を34年間務めた声優でシンガー・ソングライターのTARAKO(タラコ=本名非公表)さんが4日未明に死去した。63歳だった。9日に所属事務所や同局が発表した。今年に入り体調を崩し、闘病しながら仕事を続けていたが、容体が急変したという。

 【評伝】

 TARAKOさんは「まる子」に出会うまでの駆けだしの声優時代、その特徴的な声がコンプレックスのひとつだったという。少年のヒーローにも、可憐(かれん)なヒロインにもなれず「主役向きの声ではない」と落とされてばかり。そんな中で、さくらさんに「声がそっくり」というまる子役に出会い、等身大のおしゃべりがキャラクターになる縁を得た。

 ファンの間で語り継がれる伝説のラジオがある。1992年2月17日の「さくらももこのオールナイトニッポン」。パーソナリティーのさくらさん、さくらさんと声が似ているとウワサになっていたシンガー・ソングライターのイルカ、TARAKOさんの3人が集い、「誰が誰だか分からない」とリスナーを混乱に陥れた放送があり、本人たちもことあるごとに笑い話に。TARAKOさんも18年の「ありがとうの会」で「似てるって、こんなに幸せでうれしくてありがたくて、なんかグッとくるものなんだなっていうことも、ももこちゃんが教えてくれました」と語るほどだった。

 私生活では4匹の保護猫と生活。公式ブログでは、猫への愛や「ちびまる子ちゃん」アフレコの様子、主宰する劇団「WAKUプロデュース」での舞台製作に精力的に打ち込む様子をつづっていた。

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