宝塚歌劇星組トップ・礼真琴「RRR」開幕 キレッキレのダンス「ナートゥ」で復活アピール

宝塚歌劇星組公演「RRR」の一場面。左からシータ(詩ちづる)、ラーマ(暁千星)、ビーム(礼真琴)、ジェニファー(舞空瞳)
宝塚歌劇星組公演「RRR」の一場面。左からシータ(詩ちづる)、ラーマ(暁千星)、ビーム(礼真琴)、ジェニファー(舞空瞳)

 宝塚歌劇星組公演「RRR×TAKA“R”AZUKA」(脚本・演出、谷貴矢)「VIOLETOPIA ヴィオレトピア」(作・演出、指田珠子)が5日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎えた。

 2024年は歌劇団創立110周年。東京宝塚劇場では今月3日に雪組公演が始まったが、昨年9月の宙組娘役の死去問題による長時間労働、労基署の立ち入り調査などを受け、歌劇団では舞台稽古の見直しや上演回数削減を図り、元日から5日午前開演の部まですべて中止。本拠地ではこの日が始動となり、午後3時半開演の部から公演をスタートした。

 星組ではトップスター・礼真琴が「1789~バスティーユの恋人たち~」(昨年8月27日千秋楽)以来、約4か月ぶりに舞台に復帰した。昨年11月上旬の舞台稽古開始まで「よりよい舞台に挑戦していくために、自らのコンディション、調子を見つめて整えていくための時間をいただくことになりました」(同5月の会見)と約2か月間、休養した。昨年10月で5組のトップでは最長の就任5年目に突入。花組・柚香光(ゆずか・れい)、月組・月城かなと、雪組・彩風咲奈が今年相次いで退団するが、110周年を支える“トップ・オブ・トップ”として、心身ともに充電しての舞台となった。

 「RRR」は2022年に世界的に大ヒットした同名インド映画の舞台化。大英帝国の植民地だった1920年のインドを舞台に、さらわれた村の少女を救出すべく立ち上がったゴーンド族の守護者・ビーム(礼)と、彼を逮捕する特務を担う警官・ラーマ(暁千星)が、運命的な出会いから意気投合。互いの立場も知らず、友情を育んでいく。

 礼は定評のある歌声で酔わせ、役柄に合ったワイルドぶりも発揮。ビームが「兄貴」と心を許すラーマ役の暁はダンディーに決め、異色のバディ(相棒)劇で観客の目線を集めた。映画版の見どころの一つのダンス「ナートゥ」では足をくねらせてキレキレに激しく踊り、ステージを盛り上げ、最終盤にはミュージカルでは珍しい客席降りもあった。

 併演のショー「ヴィオレトピア」は「龍の宮(たつのみや)物語」(19年・星組)「冬霞(ふゆがすみ)の巴里」(22年・花組)、「海辺のストルーエンセ」(23年・雪組)と憂いを帯びた作品を手掛けてきた指田珠子(しゅこ)氏の大劇場デビュー作。不思議な劇で展開される1テーマのステージで、礼と並ぶ屈指のダンサー・暁の出番も多かった。また、本公演で退団する12年目の第98期生・天華(あまはな)えまがトレンチコートで銀橋を渡る演出も用意され、パレードではエトワールも務めた。

 主な大階段下りは、天華―(天飛華音・小桜ほのか)―極美慎―暁(羽根あり)―舞空瞳―礼の順だった。2月4日まで。東京公演は2月23日~4月6日。

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