◆大相撲 ▽夏場所14日目(27日、東京・両国国技館)
4場所連続休場明けの横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)が昨年夏場所以来、1年ぶり8度目の優勝を決めた。唯一の2敗で追っていた関脇・霧馬山(陸奥)に寄り切りで快勝。昨年10月の両膝手術などからの復活を遂げた。3場所連続全休明けで優勝の横綱は1968年秋場所の大鵬、89年初場所の北勝海に次いで3人目となった。主な一問一答は以下の通り。
―率直に優勝した気持ちは。
「素直にうれしい」
―4場所連続休場明けの優勝だが。
「やることを精いっぱいやってきて良かったなという思いだけ」
―今回の優勝の味はどういうものか。
「いろいろな思いがあって、もう1回頑張る気持ちで臨んだ場所だったので。本当に10月に手術してから1日1日を無駄に過ごしていないな、過ごしたくないなという思いでやってきました。気が抜けるときもありましたけど、切り替えて頑張ってきて良かった」
―大関取りの霧馬山が相手だったが。
「本当に力がついたなという思い。この何場所か見てみても、いい相撲を取り続けてきていたので、全てを出し切って取り切れて良かったです」
―その霧馬山を下したときの気持ち。
「前も言いましたけど、成長しているな、勢いある若い力士とやりたい気持ちは変わらない。一番成長して力をつけてきた霧馬山関ですし、慎重にやらないと、という感じ」
―まだ千秋楽もある。この先へ向けて。
「とりあえず場所があと1日ありますので、頑張っていい千秋楽を迎えられたらという思いがあります。名古屋場所もそうですけど、毎場所毎場所、いつ何が起きるかわからない状態、復帰してからそういう思いで土俵に上がってきましたし、変わらずやることを精いっぱいやりたい」
―ここ1年は優勝者が代わるがわる。横綱として番付の重みを示したか。
「それだけみんなが成長して、優勝はそう遠くないという意志でやっているからそういう結果になる。決して今の力士が弱くなっているわけではないし、どう見たっていい相撲が多い」
―場所前はここまで来られると思っていたか。
「思ってなかったら出ないので」
―師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)に向けての思いは。
「親方、おかみさんがいないと、今の自分はないし、本当にひとつの優勝くらいで恩を返せればいいけど、それじゃ返せないくらい恩を感じています」