蝶花楼桃花、最速となる初トリが千秋楽「熱い夏を過ごせました」師匠・小朝直伝「ピーチボーイ」で爆笑締め

初トリの千秋楽で「ピーチボーイ」を口演する蝶花楼桃花
初トリの千秋楽で「ピーチボーイ」を口演する蝶花楼桃花

 3月に真打ちに昇進した落語家・蝶花楼桃花が30日、東京・浅草演芸ホールの「7月下席・昼の部」(初日21日)で昇進後初トリの千秋楽を迎えた。

 所属する落語協会では、法人化され記録が残る1977年以降では最速記録となる昇進後4か月でのトリ。この日は、師匠・春風亭小朝(67)直伝の「桃太郎」の改作「ピーチボーイ」で爆笑を誘った。「こんなに早く経験できるとは思わなかったです。10日間、面白かったしうれしかった。興奮しています」と初体験を振り返った。

 50日間の披露目では同時昇進4人での日替わり出演だったため、10日間連続でトリを務めるのも初。さらに、披露目でかけたネタをあえて封印し、毎日ネタを変えることを自らに課した。寄席では前の演者のネタと同じ系統の噺を「ネタがつく」として避けることになっており、「10日間独演会をやったこともあるけれど別物でした。寄席は違う。(毎日)何ができるか分からない恐怖とワクワクを感じました」。夏の定番でもある「お菊の皿」は中日に、この日は「子供のネタ」が出ていなかったこともあり「ピーチボーイ」を選び、毎日ネタを変えることができた。

 トリを務めて感じたことがある。「お客さんの変化ですね。毎日雰囲気が違うし、雨の日もまた違う。(客層によっては)笑いのテンポがコンマ何秒か違うこともある。(自分の)間を変えていかなきゃいけないんだろうと、思いました。(今までの)浅い時間の出番では体験できなかったですね」と話した。

 連日、真夏日が続く猛暑の夏。「8日目まで高座の冷房が壊れていたんです。汗ベトベトで…。でもいい思い出です。熱い夏を過ごせました」と収穫いっぱいの夏を経験した充実感からか桃花はキュートな笑顔で語った。

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