【巨人】史上初…同一カード3連戦3戦連続満塁弾被弾 4年ぶり5位 5戦43失点で今季2度目5連敗  

4回1死満塁、磯村に押し出し四球を与え悔しがる高橋(カメラ・清水 武)
4回1死満塁、磯村に押し出し四球を与え悔しがる高橋(カメラ・清水 武)
4回1死満塁、磯村に押し出し四球を与え悔しがる高橋(カメラ・堺 恒志)
4回1死満塁、磯村に押し出し四球を与え悔しがる高橋(カメラ・堺 恒志)

◆JERAセ・リーグ 巨人5―10広島(17日・東京ドーム)

 巨人の投壊が止まらず、広島にホームで3連戦3連敗。今季ワーストタイの5連敗を喫し、阪神が勝ったため5位に転落した。4点リードの4回、先発の高橋優貴投手(25)が押し出しを含む3連続四球の乱調で降板。2番手の鍬原が代打・堂林に逆転満塁本塁打を浴びた。同一カード3連戦で3試合続けてグランドスラムを浴びたのは史上初の屈辱。原辰徳監督(63)は「私とコーチ陣の指導が悪い」と責任を負ったが、3戦27失点の投手陣の立て直しは急務だ。

 東京ドームが騒然とした。悲鳴とため息に、ビジター側の歓声が重なる。2点リードの4回1死満塁。カウント1―2で鍬原のカットボールが真ん中に入ると、これを堂林に左翼席まで運ばれた。初戦延長11回では菊地が磯村に、2戦目では戸根が長野に打たれ、3試合連続のグランドスラム被弾。同一カードで3試合連続満塁弾を食らうのは、プロ野球史上初の屈辱だ。原監督は「私とコーチ陣の指導が悪いということ。しっかり受け止めて指導していくことが大事」と苦過ぎる敗戦をかみ締めた。

 試合をぶち壊したのは、先発を託された高橋の3連続四球だった。4―0の4回1死三塁。坂倉に中堅フェンス直撃の適時二塁打を許すと、そこからがもろかった。長野、小園を歩かせて満塁とし、磯村には痛恨の押し出し四球。「先発の役割を果たせなくて申し訳ないです」。2点目をプレゼントしたところで原監督がベンチを立ち、KOとなった。代わりばなで逆転満塁弾を浴びた鍬原も不用意な一球ではあったが、高橋があまりにふがいなかった。

 昨季、チームトップの11勝をマークした左腕だ。桑田投手チーフコーチによれば試合前のブルペンでは状態が良く、球も切れていたという。立ち上がりから投げ込む球の質自体は上々だった。しかし、それもゾーンに投げ込んでこそで、宝刀のスクリューだろうと、相手打者が手を出してくれなければ勝負にならない。桑田コーチは「やってくれると信じていましたが、四球から崩れていくいつもの悪い時のパターン。優貴はもう抹消します」と話した。

 今季2度目の5連敗で、連敗中は43失点。18年7月7日以来、4年ぶりに5位に転落した。「四球の後に適時打を打たれるケースが非常に多い。僕の指導力不足」と桑田コーチも唇をかんだ。序盤にウォーカー、中田の2ランで4点の援護をもらい、好守にも助けられた。どん底のチームを鼓舞するかのようにスタンドもワンプレー、ワンプレーに大きく沸き、一体となって勝利をつかもうというムードがあった中、高橋の乱調は痛すぎた。借金はまた一つ増えて4に。打たれる以前の問題では、周囲も手の施しようがない。(尾形 圭亮)

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