THE RAMPAGE藤原樹、二つの夢…16人で日本最強グループ、そして僕は最高の役者に

インタビューに応じたTHE RAMPAGEの藤原樹(カメラ・矢口 亨)
インタビューに応じたTHE RAMPAGEの藤原樹(カメラ・矢口 亨)

 人気ダンス&ボーカルグループ、THE RAMPAGEが今年でデビュー5周年を迎えた。パフォーマーの藤原樹(24)は「もう5年ですか、早いですね。今、16人でやれているのは活動休止や先輩の裏方を務めた経験があってのもの」と振り返った。EXILEに憧れダンスに熱中し、ジェネレーションズのサポートメンバーに抜擢(ばってき)され、紆余(うよ)曲折を経てランペとしてデビュー。グループでは“静寂の貴公子”として存在感を放っているが「グループとして日本の代表的なアーティストになるのは16人の夢。僕の夢はいい役者になること」と俳優業への意欲を見せた。猫好きで人見知りのイケメンに、ダンス人生をたっぷり語ってもらった。

 2017年1月に「Lightning」でメジャーデビューして丸5年。着実に成長してきたグループを、当人はどう見ているのか。

 「もう5年たちますか~。早いですね。振り返ると僕らってポンポン上がってきたワケじゃないんです。結成してから活動休止もあって、ようやくデビューできて、ホールツアーをやってアリーナができるようになったら、コロナ禍でライブができなくなっちゃって…。一気にドーンと行った感がないんですよ。でも、一歩一歩進めてきたからこそ、ランペの基盤ができたかなと。16人の個性も大きくなることが、ギューンと上がっていく原動力になる気がします」

 昨年は初めて東京ドームで単独公演を行った。メジャーグループの地位を築いているが、結成時には空中分解の危機もあったようだ。

 「16人全員が候補生から正式メンバーになって、みんな『次はデビューだ』って浮かれていました。それが勘違いの始まりで、EXILEさんのツアーを回りながら、いろいろあって活動休止に…。そこから光が見えなくて『本当に解散するのか』って思いました。1年間ほどの活動休止で、地元に帰らされてEXPG福岡のスタッフをしていました」

 活動休止中に16人で強化合宿を行い、先輩グループのツアースタッフの経験を経て光も見えてきたそうだ。

 「合宿の時はみんなマジ鬱(うつ)状態みたいな…。そこで絆は生まれましたが、16人全員がまとまったワケじゃなかった。会社が求める答えが出せずに、三代目JSBさんやEXILEさんの裏方をやりながらサポートダンサーでようやくステージに立てました。スタッフ業務をやってようやく16人がまとまったというか…。活動休止を含めて、この期間がなかったら絶対に今のランペはないし、この16人でやれているかも分からないです」

 ダンスを始めたのが小学2年時。母親にダンススクールに入れられたという。

 「スクールには先に5歳上のお姉ちゃんが入っていて、僕、三つ子で上の姉と妹の真ん中で『3人とも小2になったらダンス始めようね』って無理やりな感じでした。教室は女の子ばかりで男の子は僕だけで『ダンスは女の子がするもの』って思っていて、それが一番上のお姉ちゃんにEXILEを教えてもらった時は『やばい。男でこんなに踊っていて、かっこいい』って。で、小6の時に家族全員でEXILEさんのライブを福岡ドームに見に行ったんです。アンコール前に『EXPG福岡校ができる』という映像告知が出て、帰り道で『EXPGに入りたい』って母に言っていました。昔から決めたらめちゃくちゃ早いです。欲しいと思ったら次の日に買ったりしてます。今も行動は早いです」

 スクールでは一般生としてのスタートだったが、すぐに頭角を現して順調なダンス人生を踏み出した。

 「開校前にオーディションがあって(浦川)翔平はそれを受けて特待生でした。僕は受けてなくて一般生でしたが、翌年にはEXILEさんのツアーのキッズダンサーに選ばれ、その次の年には特待生になれました。僕、実家が保険会社の代理店で、お父さんが社長でお母さんが専務。お姉ちゃんも僕の妹もそこで働いています。ダンスしてなかったら、実家を継がなくちゃいけなかったんですが『お前継げよ』とかは言われていなくて、家族も僕の夢を応援してくれました」

 2011年にジェネレーションズのサポートメンバーの6人に佐藤大樹(27)、中務裕太(29)、浦川翔平、岩谷翔吾、長谷川慎とともに選抜された。

 「中学2年から大樹さんらとジェネさんの後ろで踊っていたら、裕太さんが途中からジェネの正式メンバーになったんですよ。『サポメンから正式メンバーになることあるんだ』って驚きましたね~。裕太さんのダンスレベルはダントツで、年齢もちょっと上。悔しさはありましたが納得でした。そこからサポメンの絆というか『残った5人でデビューする』って覚悟を決めて、僕ら5人にボーカル2人を入れて、7人でデビューするとか、勝手に思い込んでいました(笑い)」

 14年、EXILEのパフォーマー・バトルでの落選は忘れられないようだ。

 「合宿審査で翔平が受かってたんで、それがまた悔しかった。僕たちずっとニコイチ(2人で1つ)で扱われてきて、僕だけが落ちたんですから…。ホテルも翔平とは同部屋でした。風呂場で、落ちた報告を親にめっちゃ泣いて電話した記憶があります。もうかなり昔の話ですね。それからもいろいろ苦労はありましたが、今は16人の絆ができて、みんながそれぞれの目標に向けて頑張っています」

 個人の目標も明確になってきた。昨年は舞台「ETERNAL」にも出演し、役者業へ意欲を見せている。

 「ランペイジとしては16人で日本の代表するアーティストになる夢はあります。プラス個人としては役者に力を入れていきたい。EXPGの頃は『(グループで)デビューしたい』という気持ちの方が強くて、俳優を意識したのはランペイジになってから。LDHの先輩方にもお芝居をやられてる方がたくさんいて『これから役者をやっていくんだろう』っていうのはありました」

 ―お芝居の仕事が水面下で進んでいるようだが…。

 「すみません。もうちょっと待ってください。来月になったらお話しできるかもしれませんので(笑い)」

 猫好きは世間で知られているが、母親の影響が大きいようだ。

 「僕が小6ぐらいの時に、母が『猫を飼いたい』って急に言い出したんです。父は猫どころかペットが好きじゃない人で、母が『今は子供たちも家にいるけど、大人になっていなくなったらさみしいでしょ』とかいって説得しました。飼ったら父もはまっちゃいましたよ。で、その子の子供が欲しいとなって、お嫁さんを探して毎回5、6匹ぐらい生まれていたんです。でも、この子たちを譲るとなったら資格が必要で、母がブリーダーの資格を取って、いろんな方に猫を譲りました。最初に飼った猫の最後の子供が僕が飼ってるマースです。生まれた時にツアー中で(LDHには)『アリーナツアーが終わったら一人暮らしできる』っていうルールがあって、ツアー後に家に連れてきてもらいました」

 グループ内でも無口で人見知りと言われているが…。

 「僕、人見知りじゃなかったかもしれないです。人と話すのも好きですし、逆にそのイメージがつきすぎて、ランペになった時に“人見知り”と言われすぎていたから『僕ってあんまりしゃべれない人だから、しゃべれるようにならないと』って暗示をかけられたように思っていました(笑い)。本当は結構しゃべるし、みんなとお酒も飲みます。熱い話もしますが飲んでワイワイやるのが好きです」

 顔が整っていて話も整然としており、物腰も柔らかく向上心も高い。要は二の線、スマート過ぎるのである。役者として「俺が俺が」という周囲を驚かす我が出た時の顔を見てみたい。(ペン・国分 敦、カメラ・矢口 亨)

 ◆藤原樹が見たメンバー

 ▼LIKIYA(31) 一番年上で一番大人な考えを持っていて、分からない時は聞けば教えてくれる。振り付けもやられていて、グループの色を一番表現してくれている存在です。

 ▼陣(27) リキヤさんは何かあった時に言ってくれて、陣さんは普段から何でも相談できる方。LDHの上の方や外部含めいろんな方とつながりがあり、僕らにつないでくれます。

 ▼RIKU(27) ザ・ボーカリスト。EXPGの頃から知っていて、付き合いは長いです。ジェネのサポメンのボーカルになるとマジで思った時期もありました。いい兄貴分です。

 ▼神谷健太(26) 無口で無愛想に見えますが、的確なことを言う。自己満足になりやすい時に「絶対こっちの方がファンも喜ぶと思う」って言ってくれるから、見やすいライブができる。

 ▼与那嶺瑠唯(26) 最近は翔平とともにムードメーカーになってます。しゃべらないイメージでしたが、ここ2、3年は伸び伸びやっていて、ルイさんがいるだけで現場もなごみます。

 ▼山本彰吾(26) もう一人のリーダー的存在で、ライブづくりでは一番先頭に立ってくれています。クリエイティブな才能を持つ方で、僕らには考えつかないような構成をしてくれます。

 ▼川村壱馬(25) ランペイジの顔。ハイローで主演やられたり、常にランペのセンターとして生活している。プライベートも表に出さないし、プロ意識がすごいので尊敬しています。

 ▼吉野北人(25) めちゃくちゃ熱い。やりたいことを持ってるけど、ボーカルとしてやらなきゃいけないこともしっかりやる。ぶれてない心を持っている。こちらもランペの顔です。

 ▼岩谷翔吾(25) はち切れたパフォーマンスはランペに必要不可欠。ショウゴさんの踊りって、いろんな人の目を引くんです。一般の人が見ても「この人ダンスすごい」って思うはず。

 ▼浦川翔平(24) ムードメーカー。最近、TikTokを始めました。毎日更新してくれてフォロワー数もめちゃくちゃ増加して、ランペイジをバズらせてくれています。

 ▼武知海青(24) 同学年ということもあって気を使わなくて話せるし、いろんな活動をしていて刺激をもらっています。一度決めたら最後までやり通す熱い性格をリスペクトしてます。

 ▼長谷川慎(23) 昔からマイペースで芯がぶれない。ドラマや雑誌で一緒になることも多くて、メシや飲みにも行きます。互いに役者をやっていてライバルみたいな感じですが、切磋琢磨(せっさたくま)して2人で上がっていきたい。

 ▼龍(23) 背が高くて顔も怖いけど、赤ちゃんみたいな性格。徐々にメンバーに素を見せてくれてますね。MPC(音楽制作ツール)でランペの音源作ってくれたり、かなりの努力家。

 ▼鈴木昂秀(23) 曲も作るしラップもできる。踊れて役者もできる天才肌。意志が弱い部分もあったけど、去年、舞台「ETERNAL」をやってからメンタルも強くなってきましたね。

 ▼後藤拓麿(23) 年下だからあまり頑固になりすぎることないけど頑固。衣装を担当したり、しっかり自分のやりたいことや将来のことをちゃんと考えている。頼もしい後輩です。

 ◆藤原 樹(ふじわら・いつき)1997年10月20日生まれ、福岡・北九州市出身。24歳。小学2年でダンスを始め、中学でジェネレーションズのサポートメンバーに選ばれる。14年にEXILEのパフォーマー・バトルに応募、合宿審査で落選。ランペイジの候補メンバーから正式メンバーを経て、17年に「Lightning」でメジャーデビュー。同年、舞台「あたっくNo.1」で俳優デビュー。ドラマ「PRINCE OF LEGEND」などに出演。昨年、舞台「ETERNAL」でRIKUらランペイジのメンバーと出演。身長170センチ、血液型B。

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