元豊ノ島の井筒親方が37歳の誕生日 現役引退後は「ザ・現役と親方の間の日々」

スポーツ報知
若い衆の稽古を見守る元関脇・豊ノ島の井筒親方(右)

 大相撲の元関脇・豊ノ島で、4月に現役を引退した井筒親方が26日、37歳の誕生日を迎えた。都内の時津風部屋での稽古後、代表取材に応じ「朝は(家族が自宅で)ハッピーバースデーの飾り付けしてくれていたから、『ありがとう』と言って、という朝でした」と話した。

 37歳を迎えた心境は「めでたいとも思わないし、あんまり変わらんよ」と、意外とアッサリ。それでも現役時代であればこの時期は、名古屋場所のため東京の自宅にはおらず「久々に自分の誕生日をゆっくり、自分の家族で祝う感じ。嫁が6月20日、娘が7月6日が誕生日なので、いつも一緒にやってたり。個人個人でできるのは初めてかな」と明かした。

 現役時代から支えてくれた家族も、引退を受け入れているという。「娘も許してくれた。最初は豊ノ島と言えなくなるのが嫌だったみたいだけど、今は『父が親方なんだよ』って友達に言ってるみたい」と井筒親方。家族は、無観客で行われた春場所を最後に引退することに抵抗があったと明かし「『(妻に)体壊れたらどうするの?』って話したら泣きながら『分かった』って許してくれた。肩の荷が下りた感じだった」語った。

 現在は、部屋付き親方として後進の指導にあたっている。「部屋でも若い子は『豊ノ島関』と呼ぶし、自分も反応してしまう」とまだ慣れない様子。稽古場の木札も「井筒」はまだできていないと明かし「部屋のメンバーで自分だけいないみたい。中ぶらりんな感じだね」という。購入したスーツもまだ袖を通していない。「スーツ着て協会にもまだ1回もいってないからね。ザ・現役と親方の間の日々」と語った。

 ダイエットにも挑戦中だ。食事の改善などを行い「去年の九州でマックス167キロだったのが、今は147キロ」。ただ断髪式をまだ控えているため「あんまり体重も落としすぎないようにと思っている。はかまとかぶかぶかじゃ格好悪いし。130キロ台くらいにはキープしたい」と述べた。

 新型コロナ禍での自粛期間中は、「家族3人で鬼滅の刃にはまっている。アニメで見て、漫画で見て。娘は毎晩、鬼滅の刃を歌っている。家にいるのはストレスにならない」という。親方としてやりたいことを問われると「ディズニーランド。現役中は浴衣で草履だと歩けない、足が痛くなる。靴で行けると動ける。あとは、現役中は川遊びとかみんなで行っても、奥さんが『滑って転んでケガしたら危ないから』って、川に入れなかった。現役の時、危ないって言われたことをやりたい。まあコロナが落ち着かないことにはね」と話した。

 7月場所(同19日初日・両国国技館)まで約1か月。豊山や正代ら関取衆の指導にも、熱が入る。「現役の時は僕も下に落ちていたこともあって言わなかったけど、今は関取2人にも言いますよ。こういう風にしたらって言うようにしている」。試行錯誤しながら教えていると話し、「自分がいなくなった分、部屋の力士に頑張ってほしい。結果を残してほしい」と、活躍に期待を寄せた。

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