【楽天】まさかの2連敗で球団初の第1S敗退…初戦制し、浅村第1S史上初の3戦連発4本塁打も空砲に

7回1死三塁、ウィーラー(中)が遊ゴロに倒れる(
7回1死三塁、ウィーラー(中)が遊ゴロに倒れる(

 ◆2019 パーソル クライマックスシリーズ・パ ファーストステージ第3戦 ソフトバンク2―1楽天(7日・福岡ヤフオクドーム)

 パ・リーグ3位からの下克上を狙う楽天だったが、勝てば西武との最終ステージ(S)進出が決まる大一番に敗れて、クライマックスシリーズ(CS)の第1S敗退が決まった。楽天は09、17年に続いて3度目のCS第1Sだったが、初の敗退となった。

 第1戦は浅村2発、オコエ、茂木と計4本塁打を放って千賀を攻略。投げても先発の則本昂が6回3失点の粘投で試合を作ると、7回からは宋家豪、森原、松井と1イニングずつの無失点リレーでつないで逆転勝ちして先勝した。だが、前日の2戦目は先発・美馬が3本塁打を浴びるなど4回5失点と粘りきれずに敗れて、ソフトバンクに逆大手をかけられていた。

 大一番を託された先発・岸は3回まで無安打投球と好スタートを切った。4回に浅村が3試合連続弾となる4号ソロで先取点。CS第1Sでの3試合連続本塁打は初の快挙で、4本塁打も最多となり「打てて良かったです」と淡々と振り返った。だが、直後の4回に2死から岸が連打を浴びて一、二塁のピンチを迎えると内川に右前適時打を浴びて同点に追いつかれた。

 6回に1死一、二塁のチャンスを作ったが、ブラッシュが遊併打。7回も2死三塁としたが、ウィーラーとフェルナンドが倒れて勝ち越し点を奪うことが出来なかった。先発岸は6回98球、4安打1失点で降板。7回からは継投策に入ったが、3連投となった2番手・宋家豪が先頭の内川に勝ち越しソロを被弾。痛すぎる1点を奪われた。1点ビハインドの8回に守護神・松井を投入するなど、ベンチは積極的に動いたが、ソフトバンクの壁は厚かった。

 今季の楽天は、オフに西武から浅村をFAで補強し、ブラッシュ、ブセニッツらも加入。昨季途中から就任した平石監督、石井GMの新体制として、大きな期待を受けてスタートした。だが、まさかの誤算も待ち受けていた。開幕前の3月に、エースの則本昂が右肘手術で離脱。さらに開幕投手を務めた岸も開幕戦で左太ももを痛めて役2ケ月の離脱を余儀なくされた。昨季2人で21勝を挙げた2本柱を欠き、厳しい状況になるかと思われた。

 だが、チームで唯一規定投球回をクリアした美馬が中心となって先発ローテの中心になると、昨年途中まで育成だった石橋、プロ11年目の中堅左腕・辛島も成長。塩見、福井、菅原、弓削らも奮闘した。先発事情は厳しかったが、リリーフ陣は充実。松井は38セーブでセーブ王に輝き、森原、宋家豪、ブセニッツ、ハーマン、青山、高梨といったリリーフ陣は全員が48登板以上で、3・04のハーマンをのぞく5人は防御率2点台以下とリーグ屈指のブルペンを形成した。

 さらに打線は新加入の浅村とブラッシュがともに30本塁打以上を放ち、中心に居座った。島内、茂木、銀次らがその前後を固め、新人の辰己、渡辺佳、太田らも予想を上回る働きをして、ウィーラー、藤田らベテランもしぶとい働きでチームを盛り上げた。

 昨年は最下位に沈んだが、ロッテとの激しいデットヒートの末、3位に滑り込んでCSに進出。第1Sでも初戦でソフトバンクを破って、シリーズを十分に盛り上げた。則本昂、岸が開幕からフル回転していれば、さらに勝利を積み重ねたことは間違いない。来季以降の戦いにも注目だ。

 ◆楽天のこれまでのポストシーズン成績

 ▽09年 野村監督就任4年目、球団創設5年目にして初めて2位となってCSに進出。第1Sでは岩隈、田中の2試合連続完投勝利でソフトバンクを破って最終S進出を決めた。日本ハムとの最終Sでは初戦に4点リードで9回裏を迎えたがセギノールにサヨナラ満塁本塁打を浴びて逆転負けを喫すると、勢いを止められずに敗戦。

 ▽13年 田中の無傷24連勝などもあって初のリーグVを達成。田中、美馬の完封などでCSを突破すると、巨人との日本Sも3勝3敗の第7戦を制して日本一に上り詰めた。

 ▽17年 西武との第1Sは初戦に0―10と大敗するも連勝してソフトバンクとの最終Sに進出。1、2戦目をともに1点差で制して勢いに乗ったかと思われたが、そこから3連敗を喫して日本S進出はならなかった。

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