【西武】中田、野手入団歴代最遅12年目で初安打「うれしいけど、勝ってたら」

スポーツ報知
6回無死、右前にプロ初安打を放った中田

◆西武7―11楽天(8日・メットライフドーム)

 長い道のりだった。必死に振り抜いた打球が右前に弾むと、西武・中田はホッとした表情を浮かべた。野手としては歴代最遅となる12年目での初安打をマークした。6回先頭で追い込まれてからの3球目。ブセニッツの外角やや高めのカットボールを逆方向に運んだ。「うれしい気持ちがこみ上げたけど一瞬。『勝ってたら』そこに尽きる」と表情は変わらなかった。

 鳴門工高から07年高校生ドラフト6巡目で入団したが、昨季までの11年間で出場は10試合だけ。今春キャンプはA班スタートも開幕は2軍。4月頃に「右眼球中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症」を発症し、2軍でも試合に出られない日々が続いた。「自然治癒しかないと言われて。試合に出られないことが苦しかった」。6日に昇格して今季2試合目。苦労人がようやく花を咲かせた。(森下 知玲)

 ◆記録メモ 捕手の中田(西)が12年目で初安打。投手では工藤公康(巨)が19年目の00年に初安打した例があるが、野手では82年市橋秀彦(ロ)、97年渡辺政仁(巨)の12年と並んで最も遅い初安打となった。ただし、市橋と渡辺は投手でプロ入り。野手として入団した選手では、ともに西武の捕手で92年相馬勝也、03年田原晃司の11年を上回り、最も年数のかかった初安打になる。

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