ギガより大きい1クエタ、ナノより小さい1クエクトは何桁の数字?
今年、「新しい数え方」が登場します!普遍性を担保する3つの条件
みなさんがふだん、長さや重さを測るときに使う「メートル」や「キログラム」という単位──。今ではすっかり日常に溶け込んで、まさに身に染みていますが、現在のように世界中に普及したのはそれほど遠い昔ではありません。
その起源は、18世紀末のフランスに遡(さかのぼ)ります。当時、誰もが共有できる「普遍性をもった単位」を定めることになり、その際に、次の3点を満たすことが念頭に置かれました。
- 少数の基本的な単位=「基本単位」を定め、その基準は科学的で不変なものとする
- 他の量は、その基本単位の組み立て(組み合わせ)で表現する
- 10進法を基本にする
それ以前の単位の基準、たとえば「フィート」は文字どおり「王様の足の大きさ」に由来するなど、合理性を欠いていました。また、そのような由来をもつ単位は、国や文化が違えば受け入れがたいなど、「不変性/普遍性」の面で劣ると考えられたのです。
そこで、まず最初に、測量結果に基づく「地球の大きさ」をもとにして「長さ」の基準となるメートルを、「赤道から北極までの長さの1000万分の1」として定めました。次に、10センチメートル立方、すなわち1リットル分の水の質量を1キログラムとしました。
「地球の大きさ」や「水の密度」という、普遍性をもった自然物を基準としたのです。
「10進法」のメリット
同時に、それまでは、面積であれば「エーカー」や「坪」、体積であれば「ガロン」や「升(しょう)」のように、それぞれ固有の単位が割り当てられていたものを、「平方メートル(m²)」や「立方メートル(m³)」のように基本単位(ここでは「メートル」)の組み立てによって、他の量を表すことにしました。
これによって、その後の科学技術の発展に合理的、かつ柔軟に対応できる素地が生まれました。たとえば、蒸気機関の圧力や出力を表せる、といったことがこれにあたります。
さらに、旧来の単位では、たとえば1フィートは12インチ、1ポンドは16オンスなどのように、4進法や12進法を援用していましたが、すべてを「10進法」に統一しました。4進法や12進法にも、半分にしたり倍にしたりといった日常の用途においては便利な側面があり、だからこそ使用されていたのですが、扱う量が桁違いに大きく/小さくなると、とたんに混乱を招いてしまうため、「普遍性」の観点からはデメリットが大きかったのです。
このような単位の体系を総合して、「単位系」とよびます。それ以前の単位系に比べ、科学的な合理性や拡張性は、後発の「メートル法」が圧倒的に優れていました。
それでも、各国固有の「身に染みた」旧来の単位系を改めるには、並々ならぬ労力をともないました。その普及のために1875年に制定・設立されたのが、「メートル条約」と「国際度量衡局」です。
どのようなことが決められたのでしょうか。2つあります。