生体内の反応を触媒するものは酵素タンパク質であると信じられてきた。ところが, 1981年チェック (Cech) らは原生生物テトラヒメナの核酸それもリボ核酸が触媒反応をする可能性を示唆した。その後, 生体成分を含まない系, つまり合成リボ核酸が反応を触媒する本体であることが証明された。酵素学の常識をくつがえす世紀の大発見である。この反応は, リボ核酸による自触的反応でセルフスプライシングと名付けられた。そして, 触媒するりボ核酸はリボザイム (Ribozyme) と命名された。生化学の常識をくつがえすセルフスプライシングについて, やさしく解説していただいた。