日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
尿路結石症における微量金属に関する研究
I. 尿路結石の分析
梅山 知一小川 由英
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 75 巻 7 号 p. 1038-1042

詳細
抄録

蓚酸カルシウム, リン酸カルシウム, 両者の混合, リン酸マグネシウムアンモニウム, 尿酸, シスチンをその成分とする尿路結石131個に含まれる18種類の微量金属について, ICP発光分析法を用いて各々の含有量を測定した. その結果シスチン以外を成分とする結石には多種類の微量金属が認められた. しかしシスチン結石では微量金属の種類も少なく, それらの含有量もわずかであった. 蓚酸カルシウム結石は赤外線分析にて1水塩, 2水塩と分けて検討したが, ともに各々の金属の含有量はほぼ同じ傾向を示した. また, リン酸カルシウム結石とリン酸マグネシウムアンモニウム結石では多少の差は認められたが微量金属の含有量はほぼ同様であった. これらの成分の結石すべてにおいて, Mo, Sr, Znの含有量は比較的高く, 出現率も高いことが認められた.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top