2022 年 62 巻 2 号 p. 105-111
片頭痛は遺伝的基盤を持つ頻度の高い疾患であり,しばしば生活に支障をもたらす.片頭痛には多くの共存症が報告されており,それらは慢性片頭痛へと進展する危険因子とされている.共存疾患の各々は独自の遺伝的荷重を有し,片頭痛といくつかの共通する特徴を有している.片頭痛共存症の同定は疾患間に共通する遺伝学的や生物学的機序を明らかにする助けとなる可能性がある.片頭痛患者の治療には多面的アプローチが必要であり,リスク因子や共存因子を同定し,減少させることを目指さなければならない.このアプローチは片頭痛の慢性化への進展を阻止し,さらに薬物に対する治療抵抗性を回避することになる.