生活経済学研究
Online ISSN : 2424-1288
Print ISSN : 1341-7347
ISSN-L : 1341-7347
論文
大学生の幸福度と学業に対する主観的評価
アンケート調査と学業データによる分析
佐々木 俊一郎 山根 承子マルデワ グジェゴシュ布施 匡章藤本 和則
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 47 巻 p. 83-99

詳細
抄録

本稿では、大学生を対象に実施したアンケート調査および彼らの学業データを使用して、大学生の主観的幸福度、学業満足度や留年不安がどのような要因によって影響を受けるかについて分析し た。分析結果によれば、大学生の幸福度は、経済的な豊かさ、交友関係の充実度、クラブ・サークル等の課外活動への参加の有無等に影響を受ける。学業満足度は、学業成績が良い学生ほど、自由時間を多く取ることができる学生ほど高い。また、附属校推薦、指定校推薦およびスポーツ推薦で入学した学生は学業満足度が高いが、センター入試で入学した学生は学業満足度が低い。留年不安 は、学業成績が悪い学生ほど大きいが、交友関係が充実している学生ほど小さい。また、成績を考慮すると男性よりも女性が、附属校推薦および指定校推薦で入学した学生が、経済的余裕のない学生ほど大きい。こうした結果は、大学生の幸福度、学業に関する満足度や不安感は経済状況、交友関係、生活様式等によってさまざまに影響を受けており、それらを改善することによって彼らの幸福度や学業満足度を向上させることが可能であることを示唆している。

著者関連情報
© 2018 生活経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top