Anthropological Science (Japanese Series)
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雑報
高等学校における人類学教育プログラムとその効果
松浦 由観
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2013 年 121 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

高等学校の生物授業で,人類学に関連した教材を用いて人類学教育プログラムを企画,実施した。教育プログラムの教材と学習形式は,1)パワーポイントによるプレゼンテーション形式の講義と自作授業プリント,2)DVDの鑑賞,3)ヒト全身交連骨格・分離骨標本,大型類人猿の頭骨模型を用いた骨学実習で構成した。実施後のアンケートにより生徒の満足感を教材と学習形式別に検討した。また,自由記載欄に寄せられた生徒の感想を分析し,プログラムの内容の充実を図った。その結果,本プログラムは生徒の満足感が高く得られ,教材としての標本が生徒の学習支援を促すことが示唆された。さらに,人間自身についての科学的理解を深めるだけでなく,倫理観・死生観・人権意識などを生徒に考えさせるきっかけを与え,他教科への教育的波及効果を持つことが期待された。

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© 2013 日本人類学会
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