日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成27年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-41
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ポスタ―発表
『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』-新潟県佐渡市佐和田の日常食と行事食
*小谷 スミ子佐藤 恵美子伊藤 直子山口 智子立山 千草玉木 有子太田 優子伊藤 知子山田 チヨ松田 トミ子渡邉 智子長谷川 千賀子
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キーワード: 家庭料理, 日常食, 行事食
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抄録

【目的】日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』の一環として、昭和30~40年代に定着してきた佐渡市佐和田(さわた)の家庭料理を暮らしの背景とともに聞き書き調査することを目的とした。
【方法】聞き書き調査の前に、佐渡市の郷土料理と行事食に関する先行研究や資料などを収集し、調査地域の選定、対象者への協力依頼および調査の準備を行った。平成25年11月、平成26年3月及び平成27年1月に聞き書き調査を行った。調査対象者は、佐渡で生まれ佐和田在住50年以上・65歳以上の女性4名で、家庭の食事作りに携わってきた方々である。なお佐渡市役所主任栄養士と地場産農林水産物の理解促進と食育活動を行っている方々にも調査協力を依頼した。
【結果】調査対象地域の佐和田は、真野湾岸にある国中平野の中心に位置し、山地あり、丘陵・台地・砂丘・平野をもち、変化に富んでいる。豊かな自然環境で育まれた食材を用いて作られてきた郷土料理の中で、伝え継ぎたい家庭料理として、日常食は「いかめし・沖汁・かたせの味噌煮・クモダコの煮つけ・打豆と大根の煮物・にあえ・昆布巻き・いごねりのごま和え・もずくの酢の物・ながも・長芋きんとん・なめぜ・大根の渋柿漬け・せんぞうぼう/そば・あごだし・豆腐の寒天寄せ」などが、行事食は「ぼたもち・太巻き・赤まんま・煮しめ・どじょう汁・そばどじょう・型だんご・やせうま・マキ」などが挙げられた。なお人が集まる時には欠かせない「佐渡煮しめ」は、国中では里芋を、両津ではスケトのカラ焼きを必ず入れるなど、地域によって食材の使い方に特徴が見られた。

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