1996 年 44 巻 2 号 p. 141-146
マナマコをポリカーボネート波板で採苗する時に, 波板に対する付着数にバラツキが発生する。種苗生産過程における飼育密度が成長におよぼす影響について調べた。
日間成長率と飼育密度の間に負の相関関係がみられた。体長の変動係数と歪度は, 飼育密度が高くなるに従い大きくなる傾向がみられた。一方, 低飼育密度の体長組成は正規分布に近い形となった。人為的に均一に再付着させた2つの実験区の体長組成は, 最も正規分布に近い形となった。マナマコの種苗生産において, コレクターに対する付着密度を均一にすることは, 成長を良くし, さらに大小のバラツキを小さくすることができると考えられた。