レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20030801
- 登録日時
- 2005/02/04 02:13
- 更新日時
- 2005/11/28 16:17
- 管理番号
- D2003F1443
- 質問
-
未解決
鎌倉の逗子開成中学校の生徒が死亡した海難事故の慰霊祭(明治43年2月)で発表された七里ヶ浜哀歌が最初に掲載された図書は何か、出版情報を知りたい。
- 回答
-
当館所蔵目録および当館作成の雑誌記事索引などを検索しましたが、「七里ヶ浜の哀歌」の初出掲載図書についての研究は見当たりませんでした。
「七里ヶ浜の哀歌」および作詞者三角錫子に関連する文献として、当館では以下の(1)~(7)などを所蔵しており、この歌の図書等への掲載について、下記※のような記述が見られますが、それが初出であるかどうかは確認できませんでした。
また、これらの文献で大正5年に単行本として出版されたとされている楽譜を当館では所蔵しておらず、他の所蔵機関も不明です。(1)が言及する『月刊楽譜』<雑35-104>についても、当館では21巻1号(昭和7年1月)以降の所蔵のため、現物による確認はできませんでした。
(1)『日本の唱歌:定本』 堀内敬三著 実業之日本社 1970 335p
※p.148に「この歌は早く学生間に歌い伝えられたので、大正五年六月「七里が浜の哀歌」という単行本となって楽譜が発行され、雑誌「月刊楽譜」にもこの歌詞が『哀悼の歌』と題して載せられ」とあり。
(2)『日本の唱歌 上』 金田一春彦,安西愛子編 講談社 1977 356p (講談社文庫)
※p.251に「この歌は、大正五年に単行本が出たというが」とあり。
(3)『謎とき名作童謡の誕生』 上田信道著 平凡社 2002 226p(平凡社新書)
※p.159~178が「七里ヶ浜の哀歌」に充てられているが、図書等への掲載に関する記述なし。
(4)『日本レコード文化史』 倉田喜弘著 東京書籍 1979 534p
※年表の大正4年の項に、「8月『真白き富士の根』」とあり(p.507)。
(5)『婦人生活の創造』 三角錫子著 大空社 1996 251p(叢書女性論 19) 実業之日本社 大正10年刊の複製
※著者を追悼して編まれた著作集。「涙と汗の記(自叙傳)」を含む(p.220~251)が、「七里ヶ浜の哀歌」に関する記述なし。
(6)『真白き富士の嶺 三角錫子の生涯』 村上尋著 足立区コミュニティ文化・スポーツ公社 1992 248p
※p.213~214に「『真白き富士の嶺』の楽譜を世間のもとめに応じて出版したのは大正五年であった。」とあり。また、口絵に「楽譜『哀歌』(眞白き富士の根)」の表紙写真あり(但し、p.244に、著者の弟「三角武雄氏が昭和十七年に復刻したもの」とあり)。
(7)安田寛「明治御一新 唱歌探偵物語(5) 鎮魂歌としての『真白き富士の根』」
(『歴史と旅』 28(5) 2001.5 pp.152~157)
※p.153に「大正五年一月二十三日、東京・神田三崎町の音楽社発行。三角錫著『哀悼歌』掲載の楽譜」というキャプションによる「哀悼の歌」と題する楽譜のコピーあり。
※p.155には、「山本正夫調和」による「哀歌(眞白き富士の根)」と題する楽譜のコピーも掲載されているが、出典は示されていない。
※また、p.157に、(4)の口絵と同じと思われる「哀歌」表紙のコピーが、「『トキワ松学園70周年記念誌』より」として掲載されている(『トキワ松学園70周年記念誌』は当館未所蔵)。
< >内は当館請求記号
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 声楽 (767 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 唱歌
- 七里ヶ浜の哀歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000014383