開幕ダッシュをけん引するのはこの男かもしれない。昨年よりもさらに進化を続けているのは、2年目のジンクスを打破する
高山俊だ。
本人が「体は強くなった手応えはある」というように、たくましくなったボディーでプレーしながら成長を見せつける。
高山のレベルアップはゲームで示す内容に存分に表れている。まず左方向に長打が飛び出すようになったのが大きい。
3月14日の
オリックス戦[京セラドーム]で、
ディクソンからオープン戦2号になる特大の本塁打をセンター左へ放った。
春季キャンプの紅白戦以来となった逆方向のアーチに高山は「素直にバットが出てこないと、ああいう打球はいかない」と納得した一発だった。
昨季8本塁打のうち左越えにスタンドインしたのは、8月14日の
中日戦[京セラドーム]で山井からの1本のみだったが、今季は浜風を味方に長打も増えそうだ。
また、左腕対策にも余念がない。昨年は対右投手.290に対し、対左投手は.242。オープン戦ではサウスポーを苦にしなくなってきているが、それはベンチが打順を組む上でも大きい。
当初一番、三番に座ってきたが、終盤は二番で起用されている。今後、二番構想が軸だが、高山の打力アップで頭を悩ましそうだ。
本人も「全試合スタメンで出るつもりでいます」と積極的に春先からダッシュをかける腹づもりでいる。