立憲民主党は1月26日、泉「次の内閣」第45回閣議を党本部で開催しました。

 冒頭のあいさつで泉健太代表は、「今の自民党は国民を後回しにし、自分たちの金もうけを優先させてきた」と自民党の金権政治を批判。「われわれは、自民党のまやかし刷新本部より、はるかに国民に求められているものをつくっている」として自浄できない自民党の政治改革ではなく、立憲民主党の政治改革案こそが「政治とカネ問題」の解決に資するものだと述べました。

 また、新たな「次の内閣」の構成の変更を報告した後に、「『次の内閣』は極めて重たい役割を担っている。省庁との連携を密にして、いつ政権交代が起きても政権を運営できる状態を作ってまいりたい」と述べ、立憲民主党が政権を担う覚悟を示しました。

1.報告事項

(1)『次の内閣』の構成・部門会議の構成について 《変更を報告》
(2)政務調査会の役員について 《変更を報告》
(3)被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(1/22持ち回り) 《持ち回りで法案了承、本日野党三党で提出
(4)国会同意人事の担当について 《国会への提示見込みを報告》

2.審査事項

【政策審査】

(1)政治改革実行本部提言「政治とカネの問題に対する立憲民主党の考え方について」 《了承》

 「次の内閣」後に記者団の取材に応じた党政治改革実行本部本部長の岡田克也幹事長は、自民党の裏金問題について、「しっかりとした説明責任を果たすことと、政治責任を取ることが大前提だ」と強調。その上で、(1)政治家本人の処罰強化、(2)政治資金の透明性の確保、(3)政治資金パーティー及び企業団体献金の禁止――の3つの柱からなる制度改革案(上記リンク参照)をとりまとめたと報告し、これは「国民の政治不信に対する信頼を取り戻すための必要最小限の改革案だ」と強調しました。

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岡田克也幹事長記者会見

2024年1月26日(金)17時45分~18時05分
発行/立憲民主党役員室


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○政治改革実行本部とりまとめについて

【幹事長】
先ほど、(政治改革)実行本部総会、3回目を開きました。その上で、NCで承認されたものがお手元に配らさせていただいております。中身はお読みいただければというふうに思いますが。我々としては、まずしっかりとした説明責任を果たすことと、そして政治責任をとるということが大前提だということを強調した上で、3つの制度改革案を提案するということであります。その中には、今回の裏金問題だけではなく、政治と金の問題について従来から指摘されてきた課題、つまり、旧文通費でありますとか政策活動費ということを具体的には指しておりますが、そういうものも含まれております。政治、政策決定を特定の企業・団体が歪めるような状況を是正し、国民の政治に対する信頼を取り戻すための必要最小限の改革案であるということで、なお、議論していく中で追加はありうると考えております。

3本の大きな柱、1本目は、政治家本人の処罰の強化であります。連座制の導入ということに尽きるわけですが、今回の派閥の収支報告書を見ておりましても、会計責任者と代表者が同一人物ということになっております。これは基本的におかしなことなので、代表者はやっぱり国会議員と。それから、よく今までも言われてました、「選任及び監督」というのは、「または」にして、どちらでも責任を問われると。それから、政治資金隠匿罪という新設も検討すべきであると。これは、一定の期間届け出なく、例えば机の引き出しに入れておけば、もうそれだけで隠匿罪ということで、罰則がかかるということにすれば、かなり幅広く、今回の事案でも責任を問えることになります。

2番目が、政治資金の透明性の確保ということで、まずデジタル化。今は任意であります収支報告書の検索可能な形でデジタル化し、オンラインで提出することを義務付けると。現在、任意提出ですね。それから、政党及び政策集団、派閥についても同様にすると。それから、2番目は、我々、法案をすでに出している中身ですが、インターネットによって公開を義務付ける。それから、総務省において地方提出の部分も含めてすべてを横断的に検索できるようにすると。これで非常に透明性が高まるし、チェックも容易になるということであります。気が付いたらもう3年経っていて、資料が保存されてないということのないように、参議院任期6年ということを考えて、7年ということにいたしました。こういったことを完全にデジタル化してやっていくと、現在のように11月まで公表されないっていうことはなくなります。きちっと期限を決めて、早期にチェックが可能なようにするということも提案をしているところであります。監督の強化という意味では、登録政治資金監査人による監査というのは、与野党協議の中でできた制度で、だいぶ定着してまいりましたが、現在、政党本部にはかかっておりません。政党本部や派閥にも、これをかけるということを義務付けると、任意でやるんじゃなくて、法律で義務付けるということであります。そして、与野党の協議の結果でもあるんですが、支出だけチェックするような仕組みになってます。でも、収入も合わせてチェック、監査人がチェックできるようにすべきだと。例えば、通帳との突き合わせとかですね。そういうことをできるようにすべきだということです。それから、独立の第三者機関の設置を検討すると。これは、各党が主張しておりますので、歩調を合わせて書いておきました。具体的中身は、これからだというふうに思っております。その他の資金の使途公開ということで、政策活動費、使途不明な政策活動費など、政党幹部の多額の渡し切りを禁止する。 それから、文通費については、法案をすでに出しておりますが、維新、国民と一緒に出しておりますが、使途の公開、残預金の返還で、その前提としてどこまでが、この調査研究広報滞在費で出せるのかということは明確にする必要があるというふうに思っております。

最後に、パーティー及び機能団体献金の禁止ということで、もう既に法案を私たち出しておりまして、特定の企業・団体が、政治、政策決定を歪めることのないように、企業・団体の政党及び政党支部に対する寄付を禁止すると、これが、すでに法案を出しております。現行法でも政党や政党支部以外の寄付は禁止であります。それに加えて、政党および政党支部に対する寄付も禁止ということであります。それからですね、それに加えて政治資金パーティーで、個人が購入するものも含めて全面的に禁止する。だから、政治資金団体は全面禁止ということであります。企業・団体が買う、パー券を買うということ以外に、個人が買うというのは、それは議論があったところです。個人の寄付は認めているのに、なぜパーティーはダメかという議論はありました。 個人だけでやるパーティーは、なかなかこう考えにくいということもあり、それからパーティーという形式の中で、いろんな問題が起こっていることを考えると、ここはパーティーは一律に禁止してしまうと、個人の場合には献金ということでやっていただくのがいいということになりました。ここは少し議論が出たところです。あとは、個人献金を促進するための税額控除の抜本拡充と。以上でございます。

今日の総会でも議論が出たのは、個人まで禁止しなくてもいいじゃないかというような議論は出ました。それから、そもそも企業・団体はなぜダメかという議論もありました。それに対して私の方から、企業・団体も既に法案は我々出してると、もうスタンスはもう決まってる話なので、それはそういうふうに理解してくださいと。で、個人だけでパーティー券買うってのは、あんまりこう想定しがたい。むしろ献金をやるということで、あの問題はないんじゃないかと。不都合なことは出てこないんじゃないかということを申し上げました。もちろん、会費制で、収益を上げることを目指さずに行う会合ですね。例えば新年会を、5000円会費で、出費を1人あたり5000円でやると。そういうのは、正式に収支パーティーの定義に当てはまりませんので、そういうものは可能だと。結果的に、でこぼこが出たりします。想定よりも若干多く来てくれたとか、逆にドタキャンされて、風邪なんか引いてか、人数が少し減った、赤字になっちゃったとかですね。それは常識の範囲で、今までも政治資金パーティーということではなくて、それを悪用してるようなケースがあれば、それはアウトですけれども。合理的に説明する範囲の中で、多少のデコボコっていうのは、収支報告にきちっと載せて、私の場合もそうなんですが、コストでこれだけかかりましたと、それから収入これだけありますと、その差が若干例えば数万円出るとかね。そういうのは、今までも認められてきてますので、そういうことは問題はないということであります。

それから、このパーティーの話で、昨日、(企業)団体献金の禁止法案を出した時もそうなんですが、これを出したからと言って、直ちに法案を出した以上、自分もそれに縛られるというふうには考えておりません。それはやっぱりイコールフッティングで、法律が通って、それをみんながその法律のもとでやっていくということであって、 法律出したから、まず法律は通らなくても、立憲民主党所属の議員だけパーティーやらないとかですね。そういうことだと、これはなんて言いますか、 フェアな競争になりませんので、そこは、法律が通った時に歩調を合わせてやっていくということは、確認をさせていただいたところであります。私から以上です。


■質疑

○政治資金パーティー、企業・団体献金禁止について

【日本テレビ】
1点確認なのですが、3番目の政治資金パーティーおよび企業・団体献金禁止のところについて。この政治資金パーティーというのは、個人が開催するものも含めて禁止という理解でよろしいでしょうか。なので、例えば、○○先生を、○○くんを応援する会みたいな形のパーティーも、収益を上げることを目的とするものであればできないという形ですか。

【幹事長】
その通りです。はい。

【日本テレビ】
ありがとうございます。それについて、追加でその部分について議論などはあったりしましたでしょうか。個人まで、個人主催のパーティーまで禁止しなくてもいいのではないか。

【幹事長】
個人主催であっても企業・団体が買うってことあるわけですね、パーティー券を。で、そういうのは元々我々は認めておりませんので、個人だけで成り立つ。そういう収益を目指したパーティーっていうのは、非常に考えにくいんですね。そういった何て言いますか、あやふやなものを認める必要はないと。長妻さんと議論したんですが、例えば正式にパーティーではない、例えば何々を祝賀会とかですね。完全会費性でやると、その時に会場で個人献金を募ると、そういうことはできるわけですね。それで十分じゃないかということです。

【朝日新聞】
今のあのパーティーの全面禁止の点なんですけれども、党内で賛否両論あったかとは思うんですが、それでもあえてあの全面禁止を打ち出した狙いということと、あと例えば日本維新の会ですとか国民民主党ですとか、他の野党でも、パーティーの全面禁止までは、そこまでするとちょっと収入が絶たれすぎてしまうという声も、他の野党からは出ています。そういった声を踏まえて、まず他の野党とどのように協力をしていくのか、実現に向けてどのようにやっていくお考えなのか、お聞かせください。

【幹事長】
他の野党との関係はちょっと維新が最終的にそうされたかどうか、私、承知してませんが、それはこれから話し合っていかなきゃいけないというふうに思います。それから、元々我々は、企業・団体が買うような政治資金パーティーは認めないという法案を国会に出しております。それは議論の前提なんですね。そのうえで、個人が買うものはどうかと。それはかなりマイナーな話で、実は個人だけしか認めないようなパーティーってあんまりこう想定しにくいので、だから、そこも分かりやすく全面的に禁止してしまおうという判断をしたということです。

【NHK】
政治家本人の罰則の強化のところの、代表者に会計責任者と連座して責任を負わせるというのは、 これは例えば虚偽記載とか、悪質な不記載とか、そういうことを念頭に置いてるという理解でよろしいでしょうか。

【幹事長】
政治資金収支報告書に関する違反があった場合に連座して責任を負うということです。

○政策活動費について

【NHK】
政策活動費のところで、渡し切りを禁止するということですけど、これは、政策活動費は基本的に禁止という理解でよろしいんでしょう。

【幹事長】
政策活動費の定義って実はないんですね。組織活動費とか、名前は実は色々あります。これ難しいのは、これが法律的に整理していかなきゃいけないんですが、今の自民党の幹事長に渡すような、そういうものは我々全く認めるべきではないと思いますが、議員個人に対して委託するとか、そういうケースってのはありうると思うんですね。それを全部禁止するのか、一定のその説明責任が果たせるようなやり方があれば、 しかも、合理的な額ですね。そこまでは廃止しない、ダメだと言わないのかと。それは積み残されているところです、はい。

【NHK】
明らかに使途不明なものはなくしていこうという考え方か。

【幹事長】
他の野党の中には、公明党もそうだったと思いますが、内容を明確にするっていう言い方されてますね。政策活動費そのものを否定するんじゃなくて、内容を明確にすると。それは具体的にどういうものを想定しておられるのか、我々もまだ聞いてませんが、すり合わせをしながら、実効性のあるものにしていきたいというふうに思います。

【NHK】
最後に大きなことになるんですけど、改めてこの考え方の評価と、これに基づいて、この実現に対する決意をお願いいたします。

【幹事長】
3回全体会議やりました。いろんなご議論出ました。そういう中で、皆さん、よくこれでまとめていただいたというふうに感謝したいと思います。かなり分かりやすい内容になっておりますので、他の野党にもしっかり働きかけていく、それから、公明党さんともかなり共通する部分あるなというふうに思っております。協力しながら、しっかりと自民党と議論していきたいというふうに思います。もちろん、その前提先ほどから言ってる前提がまず先で、中身の議論は、それは前提が満たされた上でというふうに思いますが、国会の中での議論とか、委員会でやり取りするとか、そういうことはやっていきたいなというふうに思います。本格的に党対党でこう中身を協議するとか、従来の与野党で政治資金の問題でこの監査人(を)入れた時なんか、かなり協議したんですね。そういう話はまだ早すぎますので、まず説明責任を果たす、政治責任をきちんと取るということを見定めた上での話だと思っております。

【テレビ朝日】
先ほど法案を出したからと言って、その法案が通らなければフェアじゃないので、党内でそのことをやることはないということを確認したというふうにおっしゃってましたが、今まで文通費なども多分同じような考えだったと思うんですが、維新などはそれに対してまずは自分たちがやることがっていうふうに発言しているんですが、また、他党と協議する上で、そこはどのように説明していくのかっていうところをお聞かせください。

【幹事長】
他党が何か法案出した時に、それを先行してやっているいうふうに説明されているものが、どこまで先行しているのかというのは、私はあまり確認できていないんです。法律通りのことになってるのか。例えば、政治団体にお金入れてしまったら、それで責任を果たしたことにはなってないと私は思うんですね。今、維新がそうしてるっていうつもりはないんですけれども。政治団体に寄付するっていうのは、所得しかできないので、所得でない文通費を寄付するっていうのは、本当(は)できないはずですよね。とか、そういう問題あるんです。私たちは、やっぱり法律をきちっと作って、それをみんなで同じルールでやっていくというのが基本だということです。維新や国民民主党の皆さんとはよく議論したいとは思います。

【北海道新聞】
今の部分との関連なんですけれども、党内議論の中で、法案を出した時点で、そういった動きを党内ですべきではといった声はなかったかどうかという点と、あるいは、法案を提出している、その法案の趣旨通りの動きをすべきではないかというような声がなかったかどうかという確認をさせてください。

【幹事長】
そういう考えの方もいらっしゃるとは思います。いらっしゃるとは思いますが、あんまりそう強くは出てこなかったですね。それよりは、むしろここまでやる必要はないんじゃないかと、そういう議論はあったというふうに思います。

【朝日新聞】
それでもやっぱりそのパーティーに対する、国民に厳しい目が注がれているから決断したということでしょうか。その理由、もう少しだけ具体的に説明してください。

【幹事長】
パーティーという名のもとに、いろんなこう箍が外れた運用もされてきました。そういうことに対する国民の不信感は非常に強いという中で、我々は、個人の買うパーティーっていう、これかなり実は限られた範囲の話だと思うんですが、それを含めて、パーティー全面的に禁止ということを打ち出したということです。

(以上)