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4年ぶりに“やわたんまち”

 2022年09月18日 03時00分
北条海岸に集合した山車・お船=館山

館山市の鶴谷八幡宮で17日、「やわたんまち」(安房国司祭・鶴谷八幡宮例大祭)が始まった。10社の神輿入祭は中止のため“再開”とはいかないが、北条地区5町が4年ぶりに山車・お船を引き回して祭りばやしを奏で、参加者や見物客でにぎわった。祭礼は18日まで。

毎年9月中旬の土日に秋の訪れを告げる安房地域最大級のお祭り。県無形民俗文化財に指定されている。令和元年に台風15号の直撃で祭典のみとなって以降、コロナ禍が続き、3年連続祭りが中止となっていた。

子どもたちの太鼓や踊りの練習ができず、伝統文化の継承を危ぶむ声が高まった北条地区5町は、年番の三軒町を中心に感染防止対策と引き回しの両立を図る実証実験、ルール決めなどを行い、出祭に至った。

朝6時に各社で一斉に一番太鼓を鳴らして祭りがスタート。襦袢(じゅばん)をまとった老若男女が繰り出し、久々のお披露目となった山車・お船を晴れ晴れと眺める姿が見られた。鶴谷八幡宮には露店がずらりと出店し、午前中から多くの参拝客が訪れ、にぎわった。午後1時ごろに山車・お船は北条海岸三軒町無料休憩所に勢ぞろい。4年ぶりの再会を祝った。

年番三軒町の先頭を歩く1日目の手古舞を務めた宇都木唯さん(11)と山田優衣さん(10)は、「少し緊張したけれど、みんながにぎわっていてとてもうれしい」と笑顔。若衆頭の島野一真さん(33)は、「きょうまで試行錯誤し、準備を進めてくださった祭礼関係者の皆さまに心から感謝。やはり、館山の活気は祭りがあってこそ。また来年もずっと続いていってほしいと願います」と目頭を熱くした。

18日の山車・お船の見どころは、午後2時半から鶴谷八幡宮に参入(二の鳥居前を右折)し、5時半にJR館山駅東口に集合。同時刻に八幡海岸で鶴谷八幡宮神輿の渡御(神幸祭)もある。県道館山富浦線が時間帯で通行止めになるため、注意を呼び掛けている。

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