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アニメ備忘録その1・ポケットモンスター(後)

2006-06-22 20:48:08 | アニメ
 実はポケモンのアニメの歌に限って言えば、編曲したのは3曲だけ(最初のOP/EDと「ポケモン音頭」)で、殆どの曲はキーボード&マニピュレーターという形での参加でした。作曲のたなかひろかず氏の打ち込みデータをシンセで鳴らし、手弾きの欲しい部分は弾くというスタイルで相当量の曲をやらせてもらいました。貴重な体験だったのは当時半分アマチュアみたいなものだった私が雲の上の存在だったスタジオミュージシャンの方々と一緒に演奏できた事。特に中高生時代憧れの存在であったカシオペア神保彰氏、キープ山木秀夫氏、羅麗若古川望氏らとプレイできたのは夢のような体験でした。

 勿論鬼才・たなかひろかず氏からも様々なエッセンスの影響を受けました。実はOP/EDのアレンジ発注の時、最初は「ポケモン言えるかな?」も含めた3曲の依頼だったのです。ですがなにしろOP/EDのデモは超特急依頼だし、デモを聞いたところ当時テクノ的アプローチにはからっきし弱かった私にはこの曲は無理!と思い「たなか氏のデータでそのままやりませんか?機材等で足りない部分はマニピュレートしますから」とこちらから逆提案したのです。
 録音当日、たなか氏はMIDIデータと共に大量のフレーズサンプリングデータを持ってスタジオにやって来ました。実は私自身も「この曲の妙な雰囲気はどうやって出してるんだろう?」と興味津々だったのです。MIDIデータを開けてみるとサンプルのトリガー以外にはドラムとベースとオルガンぐらいしか入ってない。サンプルデータの方は全く違う曲としか思えないフレーズがいくつも入っている。「ま、とりあえず・・・」と思ってMIDIデータを走らせると・・・そのフレーズサンプルが絶妙に組み合わさって、デモ通りの独特なサウンドのイントロが鳴り響いたのです。「こんな音楽の作り方があったなんて・・・」他人の音楽の作り方にカルチャーショックを受けたのは後にも先にもこの時ぐらいでしょうか。
 以来私もそのテのジャンルのアレンジにのめり込み、2年後には一緒に仕事した人に超テクノマニアと勘違いされて参ったりするぐらいに成長した(笑)のですが、フレーズのもって行き方などの音楽的側面から今やクリーチャーズを束ねる社長となって久しい氏の人間的な側面にも学ぶ所は未だに多いです。

(写真は当時のポケモンの総数151種に因んで関係者に贈られた主題歌CD151万枚突破記念ゴールドディスク)


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