研究主宰者は、研究の遂行について責任を持つ主宰者。PIと略記されるPrincipal investigatorの日本語訳だ。日本では国立大学などの主要大学では、教授、助教授(現在は准教授)、講師、助手(現在は助教)といった3人から4人程度の教員が研究室を運営し、そのトップである教授が研究室を率いる講座制が敷かれてきた。

 2004年4月の国立大学法人への移行などに伴って小規模な研究室が増え、教授をはじめとするフルラインアップの講座は少なくなってきた。これに伴い、研究を率いる研究者を研究主宰者(PI)と呼ぶことが多くなった。PIを担う役職名は教授や准教授が多いが、助教クラスの若手研究者もPIを担うことが増えてきた。若手研究者の役職は、任期制が多く導入されるようになり、PIとしての研究実績を積み重ねることによりテニュアのポストを獲得するという仕組みの比重が増えている。

 若いPIには、スーパーバイザー的な役割を担うシニア研究者が付き、メンターと呼ばれることもある。さらには、革新や融合分野の台頭により、博士課程などの大学院生でも実質的に自分で研究を企画・実践するケースが増えており、実質的なPIとみなすことができる。