「今治ラヂウム温泉」の内部を見せてもらえるイベントがあったので、行って来ました。
 
 

 

 

 

「今治ラヂウム温泉」は、1927年(昭和2年)頃に建設されました。

 

材木商として成功した村上寛造さんという方が、大阪の「市岡パラダイス」にあった「千人風呂」に着想を得て、オランダ人設計士と大阪の業者に依頼して、3年かけて造り上げたものだそうです。

 

鉄筋コンクリート造りの3階建ての洋風の建物は、当時としてはかなりモダンだったと思います。

 

材木商なのに鉄筋コンクリート造り…面白いですね爆  笑

 

 

1988年にはサウナやスチーム風呂、露天風呂などを備えた近代型銭湯に改造され、その後2014年3月の閉館まで、約90年間市民に愛されてきました。

 

昨年、国の登録有形文化財となりました。

 

 

 

私が子供だった頃、お風呂がない家は珍しくなく、街のあちこちに銭湯がありました。

 

NHK朝の連続ドラマ「ひよっこ」でも、主人公が銭湯に行くシーンが度々登場しますね。

 

でもいつの間にか、「ゆ」と書かれたこのような暖簾は、街から姿を消してしまいました。

 

 

 

 

暖簾をくぐって中に入ると、懐かしさで胸がキュンとするような空間が広がっていました。

 

 

 

 

 

 

私が子供の頃、一世を風靡した「ブルブルマシン」もありました爆  笑

 

 

 

正式名称は「ベルトバイブレーター」と言うそうです。

 

若い方は見たことがないかもしれませんが、ベルトをウエスト周りに当てて、高速振動させるヤツです。

 

 

 

カウンターの奥に掛かっているのは、創業者のお着物です。

 

男前でお洒落な方だったそうですよウインク

 

 

 

 

浴場は、開放的なドーム天井になっています。

 

 

 

 

何だか、古代ローマ人に扮した阿部寛さんが出てきそうですニヤリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて外階段を上がり、二階を見学させてもらいました。

 

二階はダンスホールとなっています。

 

 

 

 

 

楽器やミラーボールが、華やかなりし往時を偲ばせます。

 

 

 

 

このカウンターの内側には、なぜか小さな隠し階段がありました。

 

 

 

 

そしてこの階段から先は、立ち入り禁止となっています。

 

 

 

 

外から見ると、この部分です。

 

 

 

 

 

三階建てのラヂウム温泉は、市内を一望できる建物であったことから、戦時中はここに越智郡の郷土防衛隊本部が設置されていました。

 

そして階段の上には、今も当時の無線機が、そのまま置かれているそうです。

 

 

戦争中、この辺りは焼け野原となりましたが、ラヂウム温泉は奇跡的に戦災を免れました。

 

アメリカ軍が教会と間違え、攻撃しなかったからだと言われています。

 

終戦後、今治に帰った復員兵は、ラヂウム温泉を目印に家路に向かったそうです。

 

 

90年もの間、今治をずっと見守ってきた「生き証人」であるラジウム温泉。

 

創業者の子孫の方が、今もこの建物を壊さずに大切に保存して下さっていることに感謝です。

 

 

今治で育った私でさえ、ラヂウム温泉にまつわる話はほとんど知らず、今回の見学会は新鮮に感じました。

 

一般公開される機会は少ないようですが、日程はFacebookで告知されます。

 

入館料は建物保存のために使われるそうです。

 

 

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