国会事務所には、毎月、各界、様々な分野から多くの資料や専門誌等が届きます。


そのうちの一つに「月刊ビューポイント」という雑誌があります。
「3・11後の日本」と大きな見出しの付いた9月号に目を通すと、
戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長のインタビュー記事が掲載されていました。


戸塚ヨットスクールは、亡き父が支援者で、
小学生の頃、夏休みに父に連れられ兄とともに期間入校したことがあります。


記事では、「偏差値秀才から本物秀才へ」というタイトルで、
原発問題に触れながら、これからの教育について見解が述べられておりました。


抜粋しますと、

・地震そのものは歴史上未曾有の出来事だから対処できなかったとしても
よくなかったのは原発問題だ。
水をかぶったから駄目になりました、では言い訳が立たない。
そんなこと言っていたら、ヨットなんて成り立たない。


・東電は海辺に原発を造りながら、海のことは一切考えなかった。海を知る人の発想がなかった。


・原発を設計した人、許可した人にしても、現場のことを知っていたのか。
上の地位に就く人が現場を知らない偏差値秀才ばかりということが、今の日本を駄目にしている。

自分達の知識が最高のもので、現場の人間より偉いという気持ちになっている。
そういう人が原発事故を起こしたのだ。現場を低く見る癖を早くやめないといけない。
日本は現場のおかげで、大きく強い国になったのだ。


・すべてにおいて、もっと危機意識を持たないといけない。
それがなくなったから、今の子どもが駄目になった。
昔だったら、いざというときに一人で生きてもらわないといけないから、
一生懸命育てていた。今は、戦争もないし、安全だということで、
緊迫感がなくなっている。


・今後の教育では、文化系の本物の秀才を作ろうという方向に持っていかなければならない。
本物の秀才には、知育・徳育・体育の三つが備わっている。
知育は戦略的思考能力、徳育は人間の高さ、体育は行動力だ。


・そういう人間が国を引っ張っていける。偏差値秀才は、この三つのどれもできない。
菅首相を見てよく分かるのは、マニュアルにないことはできないということだ。

しかし、今、日本が直面しているのは経験のないことばかりだ。


・これからは本物の秀才が権力者にならなければならない。そうすれば、すべてがうまくいく。
東電の社長も、文化系の本物の秀才だったら、あんな事故も起こさなかったであろう。

今は、偏差値秀才から、本物の秀才への移行時期だ。



戸塚校長は、このインタビューの冒頭で、
『今回の大震災でよく分かったことは「己の身を守れ」ということだ』と述べていますが、
私が期間入校の時に身をもって学んだことが、まさにこの『己の身は己で守れ』ということでした。


小学生の夏に、しっかりと身体に刻み込んだこの感覚を、

今、国会議員の立場となっても胸に留め置き、日々全力を投じて参りたいと思います。