インターナショナルダークスカイ協会

International Dark-Sky Association
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効果的な屋外照明


良い効率で効果のある屋外照明の使用は、大きなエネルギーとコストの節約をもたらす事が出来る。このインフォメーション・シートは、実行可能な幾つかを提案している。この提案のほとんどは、屋内照明にも適用できるものであり、大きな節約をもたらしてくれる。

エネルギーの浪費を改善する為にとれるハッキリした方法が幾つかある。決まったエネルギーの量でもっと多くの光を出す、新しく改良された光源が今では入手できるようになっている。新しい照明具の多くは、ランプが出す光の大半を無駄にすることなく、必要な場所を照明するよりよいコントロールを提供している。古い照明器具やランプを新しく改良されたものと交換すると効率を大きく改善できる。

ランプの効率は、ワット数当たりのルーメンで測定される。ルーメンは、光の量を計る単位で、ワットは使用する電気エネルギーの量を計る単位だ。ワット当たりのルーメンが最も大きいランプが最も効率の良いランプだ。次の表は、屋外照明によく使われる幾つかのランプの効率を掲げている:

ランプの種類          ルーメン/ワット      平均ランプ寿命(時間)
白熱電球                8 - 25                  1000 - 2000

水銀灯                 13 - 48                  12000 - 24000+
蛍光灯                 33 - 77                  10000 - 24000
メタルハライド         60 - 100                 10000 - 15000
高圧ナトリウム         45 - 110                 12000 - 24000
低圧ナトリウム         80 - 180                 10000 - 18000

白熱電球 : 家庭で、屋内でそして屋外で使われるランプの最も一般的なタイプ。一般的なランプの中で最もエネルギー効率の悪いものだ。電流を流した時に白熱する細い線状のフィラメントを電気エネルギーで熱する事により光を出すものだ。
光の量に応じた多くの熱を出し、エネルギーのたった10%だけが光を出すのに使われる。これは、熱源と呼ばれ、いくらかの光を同時に出しているとされる。40ワットの電球がポーチの照明のような、たいていの照明に適当で、特に光をあちこちにまき散らさないよう光をコントロールする器具に取り付けて使う場合がそうだ。
現在ある照明具の多くは非常に効率が悪く、かなりの光を無駄にする(ランプの効率の悪いこともある)。質の良い照明具に取り付けた、エネルギー効率の良いランプと白熱電球を交換しよう。小さな蛍光灯を効率の良い器具に取り付けて使うか、より効率の良い小ワット数のLPSランプを充分シールドされた器具に取り付けて使用できる。また、次にも述べるように、タイマーと蛍光灯を考慮しよう。

水銀灯: 防犯灯として、屋外の沢山の場所で普通に応用され、かつ屋内でも幾つか利用例がある。他の多くのランプに比較し、特に白熱電球と比べて相対的に長寿命である。このランプは、石英管に圧力をかけて水銀蒸気を満たしたている。電流が水銀蒸気を通る時に光が作り出される。 このような高輝度の放電ランプの全ては、ランプの放電開始と適切な電圧と電流レベルで使う為に安定器(バラスト)を必要とする。節約の為には、使用目的に応じて、可能な限り小さなワット数を使うことが出来るし、又そうしなければならない。現存する照明具の多くが適切に光をコントロール出来ないために、ひどいグレア(眩しさ)になっている。適切な器具であれば、光が無駄になることも少ないし、小ワット数を使う事が出来る。グレアのない照明の環境では、大変少ない光のレベルでも優れた視認性を確保出来る。 たとえ、より高いレベルの照明がなされていても、夜間見え難いというのは、グレアの大きい場所だ。もし交換の時が来たら、ランプだけではなく、照明器具そのものも交換するべきだ。メタルハライド、高圧ナトリウム、又は低圧ナトリウム等の効率の高い光源を使い、グレアもなく、光を必要な所にコントロールする高品質の器具を使うことだ。コストを調べてみると、驚くほどの節約になっている事が分かる。

蛍光灯: これは、白熱電球の約4倍効率が良い。これは、屋内照明として普通に使われている。小さなワット数のランプを使うことで、エネルギーの節約が出来る(例として、より効率の良いT−8を使う)。照明器具の幾つかを切り放してしまうか取り除き(ランプだけを取り除くのではなく、安定器も切り放さなければならない)、今ある安定器をよりエネルギー効率の良いものと交換する(電子回路を使ったもの、固体素子か省エネルギーの安定器)か、或いは全体の照明システムをよりエネルギー効率の良い器具で見直す事だ。

メタルハライド(MH)ランプ: このランプは、屋外用としても屋内用としても両方で使われる。これは、白色では、現在最もエネルギー効率のよい光源だ。ランプの中の気体を電流が流れるとき光を出す。水銀灯の約二倍の効率がある。日中に見えるものに近い色の再現性が必要な時は、この光源を夜間使おう。どんな光源でもそうだが、目的の為に必要以上のワット数を使ってはならないことだ。「もっと照明を」というのが何時でも良いことではない。多くの使い方では、行き過ぎは、視認性に逆効果だ。特にもし眩しさをも作り出しているなら。

高圧ナトリウム灯: この照明の主な利用は、屋外であり、道路照明、駐車場の照明、その他の応用がある。メタルハライドよりも効率的で、本当の色が問題にならない場合は、良い選択肢だ。光の出力は、オレンジ−ゴールド色。これは、アメリカの中で大変普通に使われている。

低圧ナトリウム灯(LPS): この光源は全ての中で、最もエネルギー効率が良く、光の出力をコントローする良質の器具と共に使うなら素晴らしい選択となる。光は、管の中で発光するナトリウムガスから出、LPS照明具は、道路照明、駐車場の照明、防犯灯に素晴らしい選択となる。色の再現性はまったくないが、メタルハライド又は、蛍光灯なども多少使うシステムの設計では満足のゆく色の再現性が可能だ。 例えば、同等の器具を使えば(良好に光をコントロールする器具で)175ワットの水銀灯は100ワットのHPSか、55ワットのLPSで置き換えられる。35ワットのLPSは、200ワットの白熱電球と同等だ。考慮に値するエネルギーの節約が可能なことが簡単に分かる。また覚えて置いて欲しい、もし取り付けが眩しさのないものなら、全般的な低いレベルの照明は、素晴らしい視認性を提供する。もっと多くというのは何時でも良いわけではない。

光のコントロール: 光が何時どこで使われるかをコントロールする事、どれだけ長く点けておくか、そしてどのくらい明るくするかなど全部がエネルギーを節約する上で主要な要因となりうる。道具は簡単なオン/オフのスイッチからコンピュータで制御し、自動的に照明を点灯するものまである。必要のないときは明かりを消そう。広い地域の照明に一つのスイッチ使うのではなく、一つ一つ別々のコントロールを使おう。タイマーを使おう。日中に、屋外照明を点けるのは止めよう。可能なら光センサーを使おう。新しい使い方では、部屋の照明のコントロールにモーション検知器を使っており、そのようなシステムは屋外でも応用する事が出来る。

最後にランプと器具の保守を一つの要因として忘れてはいけない。照明具のほこりや汚れをきれいにすること。この様な汚れは、光の出力を少なくし、時には50%にも達する。

コストの比較の例: (うまく設計した照明具が使われており、ランプの光が無駄にならないと仮定する。悪い照明具では50%以上のランプの光を無駄にする。)175ワットの水源灯(これは、普通良くない照明具に取り付けられている)を100ワットのHPSと55ワットのLPSランプと比較してみよう。これらの全てのランプは、約8000ルーメンを出力する、かなりの光の量だ。これらのワット数は、住宅地の街路灯として良く使われるものだ。

年間4100時間点灯し、薄暮から明け方まで使われ、1キロワット時あたり8セント(米国)のコストとする。システムの全電力は、ランプと安定器を合わせたものを含んでいる。効率の良いランプで得られる節約の大きさを簡単に知ることが出来る。

ランプワット数   総ワット数     KWH/年     年間費用($) 100灯     1000灯
   175              208           853        $68.22     $6822       $682,200 
   100              130           533         42.64      4264        426,240 
    55               80           328         26.24      2624        262,400 

IDAインフォーメーションシート #4と #26を参照のこと。


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本資料の著作権は、IDAにあります。例外の場合は、それぞれ明記されています。この資料をIDAに著作権があることを明示した上で、非営利目的で使用する場合は、複製する事に問題ありません。 日本語の翻訳は、IDAのメンバーである、わかばだい天文同好会が行いました。

Last update: 1996 October 6