人吉市長 37歳松岡さん、「市政チェンジ」訴え実る
統一地方選後半戦の人吉市長選、人吉、荒尾、水俣、合志4市議選、5町村長選と11町村議選は26日、投開票された。前回選と同じく現職と新人2人による三つどもえとなった人吉市長選は、新人の前市議が初当選を決めた。南小国、御船、錦、あさぎり4町長選と水上村長選は、いずれも一騎打ちだった。無投票の小国、高森、湯前3町長選と水上村議選も合わせ、後半戦で行われた1市7町1村の新首長9人と、4市9町3村議会の新議員213人の顔ぶれが決まった。
人吉市長選は、新人の前市議・松岡隼人氏(37)(無所属)が、3選を目指した現職・田中信孝氏(67)(同)と新人の環境再生会社社長・長友清冨氏(65)(諸派)を破り、初当選を果たした。
同市北泉田町の事務所に、当選確実が伝えられると、集まった支持者らから歓声が上がった。松岡氏は「皆さんのおかげで人吉は動き始めた。市民と一体となり、発展させていく」と喜びの声を張り上げた。
「人口減少が進む古里を元気にしたい」との思いで政治家を志し2007年、市議に当選。「人吉の30年後を左右する大きな転換期。疲弊する地域を変える最後のチャンスだ」と市長選挑戦を決めた。
スローガンに「チェンジ人吉」を掲げ、地域の声を吸い上げるため、意見交換会を30回以上開いた。中学校卒業までの医療費無料化や給食費の一部補助など、「市民目線で、市民の幸せにつながる公約」をつくりあげた。
約33億円の巨費が見込まれる市本庁舎の新築移転計画に関しては、「子どもたちの将来に負担となる計画は看過できない」と白紙撤回を主張。既存の公共施設を活用すべきだと粘り強く説いて回った。
一方、田中氏は、市本庁舎を新築移転する現計画の継続を訴え、2期8年間の実績を強調したが及ばなかった。長友氏は草の根の戦いを展開したが、支持が広がらなかった。