カンブリア宮殿

村上龍×経済人

毎週木曜日1106分 ~1155

テレビ東京系にて放送中

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2012517日 放送

"日本人にもっとパンを!"パンを世に広めた企業の挑戦

  • 神戸屋 代表取締役社長 (きりやま けんいち)

コメと同様に、今や私たちの食生活の中で欠かせない存在となっている「パン」。
先日発表された、去年一年間の一般家庭の食料品の支出額で、パンが初めてコメを上回った。
パン業界各社は、日々進歩する技術を駆使し、消費者の求める「より良いパン」の開発に力を注いでいる。
その中で、現在、グループ全体で全国に101店舗を展開する「神戸屋」。
エキナカなどを中心に店舗を構える神戸屋だが、創業1918年と「山崎パン」や「フジパン」など大手パンメーカーの中でも一番歴史が古い。
しかも、日本のパンの歴史の中で、数々の"日本初"を成し遂げてきた"パイオニア"でもあるのだ。
"日本人にもっとパンを食べてもらいたい!"との思いを持つ一方、あえて"手作り"にこだわり、パン本来のおいしさを追求してきた。
「パンは僕の人生そのもの」と語る桐山社長が仕掛ける、"日本のパン改革"とは?

  • RYU’S EYE

  • 座右の銘

放送内容詳細

“最も古い大手パンメーカー”が作り上げたパンの歴史

「神戸屋」の本社は「神戸」ではなく「大阪」にある。 その歴史は、神戸市のパン屋で働いていた創業者の桐山政太郎が、1918年に大阪にパン会社を設立したことから始まる。当時、貿易港として栄え、外国人が多くいた神戸から“パン文化”が広がっていったことから、その街の名前「神戸」をそのまま屋号とした。 その後、「日本で初めてのイースト菌を使ったパンを生産した」ことを皮切りに、海外から大型機械を導入し、「食パン」などの主食系パンを大量生産し始めたパン業界のパイオニア的存在。 1936年には直営の1号店を。そして1975年には、当時では珍しいパンを食べるためのレストラン「ベーカリーレストラン」をオープン。しかし、その裏には誰も知らない苦労の足跡があった…

“世界一パン職人”を輩出するこだわりのパン作り

エキナカで見かける「神戸屋」に並ぶパンはすべて手作りで作られている。 機械生産だと生地が荒れたり、パンの内側の気泡が潰れるためふっくらしたおいしいパンが出来ないのだ。 そのおいしいパンを生み出すのが卓越された職人たちの技だ。 「神戸屋」では、製造部門だけに留まらず、本社勤務の社員たちも「パン作りの国家資格」を持っている。 日々、パン作りの技術が継承されており、今年3月にパリで行われた「パンのワールドカップ」には神戸屋のパン職人2人が日本代表として出場し、見事優勝を勝ち取った。 その“世界一の職人たち”のパン作りに迫る。

毎月約100種類の新商品!その舞台裏に迫る

毎月、100種類近くの新商品が誕生しているという「神戸屋」。 その開発のスピードは他社にくらべても早い。 東京・豊洲にある「商品企画部」のテストキッチンでは毎日のように新たなパンの開発が行われている。 実際に店頭に並ぶ数の倍以上が試作品として作られ、そのなかで選ばれたものだけが店に置かれる。 開発商品の半分は世に出ないのだという。 ミリ単位の違いで食感が変わる生地・・・そしてわずか1グラムでも大きく変わる味… 緻密な計算があってこそ生まれるヒット商品。その誕生までの舞台裏に迫る。

ゲストプロフィール

桐山 健一

  • 1956年大阪府豊中市生まれ
  • 1981年信州大学工学部卒業後、大手電機メーカー入社
  • 1985年神戸屋入社後、パンの勉強のためアメリカ留学
  • 2002年現職

企業プロフィール

  • 創業:1918年
  • 年商:640億(2011年12月期)
  • 店舗:パン・洋菓子などの製造販売、ベーカリーレストランなど グループ全体で101店舗を展開。
  • 社員数:1216人(グループ全体で1524人)

村上龍の編集後記

神戸屋の本質は、呆気にとられるほどシンプルなものだ。それは、パン、およびパンを食べる人への誠意と愛情、それにに尽きる。企業の成功要因にはいろいろなものがある。経営上の意志決定システム、革新的な物流整備、ITの活用、グローバル戦略などだが、神戸屋は違う。 創業以来、「パン一筋」を貫いて、パンのこと、パンを食べる人の満足を、徹底的に考え、実践することで、成功をつかみサバイバルしてきた。 商品にとどまらず、その食品の文化的意義にもリスペクトを持つ、これほど幸福な企業もめずらしい。

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社長の金言

  • 不完全でも 半分目を閉じて動き出せ

    SHONAI 社長山中 大介

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