民泊仲介サイトに行政から正式要請、旅館業法改正の周知など、欧米・中国系事業者などに

厚生労働省と観光庁は連名で民泊仲介サイト運営事業者に対し、「いわゆる『民泊サービス』の取扱いについて(要請)」と題した文書を通知する。2016年4月1日施行の旅館業法の一部改正で、国家戦略特区を除いた民泊サービスが簡易宿所として旅館業法の許可が必要となったことに伴うもの。4月12日開催の第8回「民泊サービスのあり方に関する検討会」で、前回取りまとめられた中間整理(案)の「早期に取り組むべき課題」の対応状況として発表された。

内容は仲介サイト運営事業者に対して、(1)自社サイトに登録する民泊サービス提供者やサービス利用者に旅館業法の改正について周知し、(2)民泊サービスの登録者に対して許可取得を呼びかけるよう要請するもの。また、(3)集合住宅については民泊が禁止されている物件が登録されることがないように登録者に対して注意喚起を徹底することや、(4)警察からの登録者に関する情報提供依頼に対しては必要な範囲で協力すること、の4点が盛り込まれている。

旅館業法は民泊サービスの提供者に係るものだが、物件を直接特定することが難しいとの理由から、それを把握している仲介サイト運営事業者に登録者に対して簡易宿所の取得を促してもらうのが狙い。また、単に文書を送付するのではなく、コンタクトをとっていくことで実態把握もしていく。

対象は、欧米系の運営事業者3、4社に加え、台頭しつつある中国系の運営事業者2、3社を想定。要請文を英語と中国語に翻訳し、現在、交渉する担当者の特定を行なっているところ。約3万件に増加しているというAirbnb(エアビーアンドビー)に関しては常に連絡の取れる状況にあることから、4月早々にも同文書を通知したという。

このほか「早期に取り組むべき課題」については、今回の改正を踏まえ、厚生労働省のホームページに掲載する「旅館業法Q&A」を改訂。あわせて名称を「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」に変更した。また、4月27日には都道府県等の担当者向けに、旅館業法の取り扱い変更に関する説明会を開催する予定。簡易宿所の規定やその玄関帳場などが緩和された趣旨を踏まえ、条例の弾力的運用や改正等を促していく。

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