【京都記念】伏兵デスペラード大金星 ノリマジックで2強撃破!

[ 2014年2月17日 05:30 ]

横山典の好騎乗でデスペラード(左)が京都記念を制す

 16日、京都競馬場で行われたG2「第107回京都記念」は単勝1・6倍の断然人気ジェンティルドンナが6着に敗れる波乱。6番人気の伏兵デスペラードが鮮やかな“逃げ切りV”を決めた。ベテラン・横山典の味のある手綱さばきを味方に付け、「無法者」という馬名通りの大暴れで本命党の夢を打ち砕いた。

【レース結果】

 まさに変幻自在。横山典の華麗な手綱さばきに導かれたデスペラードが、G1馬ジェンティルドンナ、トーセンラーの“2強”の牙城を崩した。大金星を挙げた横山典は涼しい表情でレースを回顧する。

 「自分の中では、いつかこういう競馬をしようと考えていた。逃げ馬がいなかったので馬の気持ちに任せて前に行った。気難しいところがある馬なので馬との関係を大事にして乗りました」

 道中は折り合いに専念しながら、前半1000メートルを63秒7というスローの流れをつくり出した。勝負どころの3角過ぎから、たまらずトゥザグローリーが抑えきれない手応えでデスペラードに並び掛けて先頭に立つ。だが、鞍上に焦りはない。坂をゆっくり下って直線一気に加速すると粘り強い末脚で再び先頭に立ちゴール板を駆け抜けた。

 以前は追い込み一辺倒の脚質。もともとレース中に走る気をなくしたり気難しい面があった。陣営は気持ちのコントロールを図るべく、馬なり単走を中心とした調教メニューを行うなどして精神面の成長をうながしたのが奏功した形だ。

 2走前のスポニチ賞・ステイヤーズSで待望の重賞初制覇をもたらしたのも横山典。安達師は開口一番で「まさか逃げるとはね」と名手の好騎乗を称賛。その上で「久々の実戦で行き脚がどうかと思っていたが問題なかった。ジョッキーの考えでは前走の有馬記念も逃げを想定していたと聞いていたし、鞍上が完全に手の内に入れているね」と手放しに喜んだ。

 「今後は厩舎において調整して、天皇賞・春(5月4日、京都)へ直行する予定です」と安達師。名手が完全に手なずけた“破天荒”な走りから目が離せない。

 ◆デスペラード 父ネオユニヴァース 母マイネノエル(母の父トニービン)牡6歳 栗東・安達厩舎所属 馬主・市川義美氏 生産者・北海道新ひだか町田中裕之氏 戦績30戦8勝 総獲得賞金2億6285万6000円。

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