【ステイヤーズS】デスペラード ミルコ進言で華麗なる転身

[ 2012年11月29日 06:00 ]

坂路を駆け上がるデスペラード

 中山のメーン「スポニチ賞ステイヤーズS」(1日)の追い切りが28日、栗東、美浦トレセンで行われた。前走、芝で新境地を開いたデスペラードが面白そうだ。

【ステイヤーズS】

 デスペラードはポリトラックコースでサッと流した。回転の速いピッチ走法でラスト1Fは11秒3をマーク。安達師は「状態は引き続き良さそう。ゴトゴトして硬さのある馬だが、一瞬の切れる脚が使える。前走もいい脚を使ってくれた」と振り返った。

 その前走(八坂S1着)が衝撃の内容だった。11年毎日杯(14着)以来となる芝レースに挑戦。師は「2走前に騎乗したM・デムーロや、以前に乗った武豊騎手も芝がいいと言っていた」と、参戦の理由を説明した。だが、当のデムーロは、レース当日の芝での返し馬で、自らの進言を後悔する事態に陥っていた。

 「あれれ、歩様がゴトゴトしている。芝挑戦はミステーク(間違い)だったのかもしれない」

 困った鞍上。こうなったら少しでも歩様をスムーズにするしかない。入念に返し馬をして、四肢をほぐした。その効果か、レースでは目の覚めるような切れ味で差し切った。上がり3Fは驚異の32秒8。「やっぱりミステークじゃなかった」と笑った鞍上。師は「スローペースの中、大外を回るロスがありながら、あれほどの脚を使えるとは」と驚きを隠さなかった。

 快勝の後、M・デムーロは安達師に新たな進言をした。「折り合いに不安がないから、もっと距離があった方がいい」。今回は内田とのコンビだが、前騎乗者のアドバイスが今回も好結果に結びつく気がしてならない。「ここでも、また新たな面が見られそうだな」。師も不敵な笑みを浮かべていた。

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2012年11月29日のニュース