米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手(42)の日米通算4257安打にわいた16日、多くの関係者が次々とコメントを求められた。ソフトバンクでも一流選手たちが話しづらそうに、恐縮して言葉を選んでいた。その様子からも、いかに現実離れした快挙なのかが伝わってきた。
内川聖一外野手は「簡単に『すごい』って言ってはいけないんだろうけど」と前置きしながら「客観的に数字を聞くと、『すごい』としかいえない」と祝福した。安打数については、誰もがそう語るのが精いっぱいだ。それでも、イチロー外野手との思い出を問われると、それぞれが衝撃的な体験をしていた。
2009年のWBCでチームメートだった内川は、毎年オフに食事をともにする関係だ。「本当に尊敬しかない。考え方とか、いろいろ勉強させてもらっています」。そのイチローの教えのひとつを明かす。
「プレッシャーと向き合うどころか、『プレッシャーがかかっていることを自覚した上で、さらに自分にプレッシャーをかけてみようと思う』と話していたことがあった。想像しただけで、気分が悪くなりそうです」
アスリートの「重圧を楽しむ」という表現は、しばしば耳にするが、イチローはもっと上。昨年の大リーグでの会話を振り返った和田毅投手の思い出も印象的だ。
「視野が広いというか、いろいろなことをいろいろな角度で考えていらっしゃる」