バレーボール

日本、五輪遠のく痛恨の黒星 柳田負傷で石川の負担重く

日本対イラン セットカウント1-3で敗れガックリ肩を落として引き揚げる、日本・清水邦広=1日午後、東京都渋谷区の東京体育館(撮影・大橋純人)
日本対イラン セットカウント1-3で敗れガックリ肩を落として引き揚げる、日本・清水邦広=1日午後、東京都渋谷区の東京体育館(撮影・大橋純人)

 92-96の総得点差が物語るように、紙一重の差ではあった。だがアジア1位を争う最大のライバルに、白星と勝ち点3を献上した意味は大きい。「絶対に勝たないといけなかった」と主将の清水。イランに敗れた日本は2大会ぶりの五輪出場が極めて厳しくなった。

 アクシデントは第1セットに起きた。柳田がネットを超えてきた相手と衝突した際に右膝を痛め、米山と交代を余儀なくされた。前夜のポーランド戦から復調傾向にあったビッグサーバー不在で試合の大半を戦わねばならなくなり、サーブで相手を崩すもくろみは大きく狂った。

 「今回が五輪へのラストチャンスと思ってやっている」という31歳の米山はフェイントを効果的に使い、サーブレシーブでも奮闘。だが第3セット途中、連続でブロックを浴びるなど、アタック決定率は33.33%にとどまった。エース石川は相手にサーブで狙われ続けた上、サーブで攻める負担も増したせいか、第4セットはミスを連発。南部監督は「勝負どころで力んでしまい、ブロックに掛かるシーンがあった」と天を仰いだ。

 対照的にイランは負傷を抱える得点源のガフールが前日のフランス戦に続いて欠場したが、代役のマフムーディがこの日もチーム最多の22得点。石川頼みの日本に選手層の厚さを見せつけた。逆転での五輪出場には3連勝が最低条件。石川は「切り替えるしかない」と懸命に前を向いた。(奥村信哉)

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