ケント・ギルバートのニッポンの新常識

民進党や共産党は日本を「テロ対策後進国」にしておきたいのか 「テロ等準備罪」法案とパレルモ条約締約の必要性

 その義務を履行すべく本国会に提出されたのが、「テロ等準備罪」の新設に向けた組織犯罪処罰法改正案である。

 パレルモ条約を結ばないと、日本は国際的犯罪集団の情報について、他国と綿密なやり取りができない。日本が有益な情報を得られないデメリット以上に、国際的犯罪組織にとって日本が「抜け穴」になることが大問題なのだ。

 世界187の国と地域が締約したなか、G20唯一の未締約国である日本は、国際社会に迷惑をかけている。南スーダン、ソマリア、コンゴ、イランなど、日本を含む11カ国だけが未締約国である。民進党や共産党などは、日本を「テロ対策後進国」にしておきたいのか。

 東京新聞は24日朝刊に「共謀罪の対象となる277の罪」という一覧を掲げていた。対象が広すぎると言いたいらしい。私は277の犯罪内容を一通り見たが、犯罪の意思を持たない一般市民は同法案が成立しても何の不都合もないはずだ。

 同法案に反対するメディアは、公安監視対象団体に所属する愛読者や視聴者のご意向でも忖度(そんたく)したのか。

 ある民進党議員は、テロ等準備罪が成立したら本気で国外亡命を考えるとツイートしていた。彼が本当に亡命するようなら、それは日本の未来に貢献する善行だと思うので、ぜひ餞別(せんべつ)を贈りたい。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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