ベルギー王室コラム(1) 王位継承権

フィリップPhilippe皇太子とマチルダMathilde妃に長男ガブリエルGabriel王子が今年10月12日に誕生され、またフィリップ皇太子の弟・ローランLaurent王子にも来年2月にお子様が誕生予定という発表がありました。かわいい王室メンバーが増えると、王位継承権が微妙に変わります。ベルギーではどうなっているのでしょうか。

†即位は男女平等 
 日本の皇位継承権は皇室典範によって定められていますが、ベルギーでは憲法の中に含まれています。1831年に憲法が制定され、1991年、5回目の改正で、王位継承者は直系の男子に限るとした第85条から、性別の明記が省かれました。イギリス王室、スウェーデン王室、オランダ王室などすでに女王が認められていますが、ベルギーは欧州王室のなかでは最後まで男子に限定していました。そのベルギーも性別をなくしたのは、1975年の国連の国際婦人年以来、男女平等の考え方が普及したのがきっかけだったという説があります。
 現在の王位継承者第一位はもちろんフィリップ皇太子、第二位はその第一子エリザベス王女、第三位は第二子ガブリエル王子、第四位はフィリップ皇太子の妹・アストリッド妃、第五位以下はアストリッド妃の5人のお子様が年齢順に、ローラン王子 は第十位となります。

†祝砲の不思議
 ベルギー王室では伝統的に、赤ちゃんが生まれると祝砲を鳴らしてきました。男の子の場合は101回、女の子の場合は51回です。これは国民に男女どちらが生まれたかを知らせるためです。現在では最初の子供、つまり王位継承権が第一位となる子の誕生の時にのみ鳴らされます。2年前、エリザベス王女が生まれた時、祝砲は実は101回鳴らされました。これはベルギー王室歴史上初めてのこと。女の子なのになぜ? となりますが、皇太子の次に王位を継承し女王となるべき存在だからなのです。ちなみにガブリエル王子の時は祝砲はありませんでした。
 来年パパになる予定のローラン王子は女の子を望んでいるとか。「女性はこの世で最も美しい存在」と公言している王子のこと、自然な成りゆきと見る向きも。もう名前まで考えてあるそうです。無事のご誕生を祈念しつつ。

 

11.2003

 

 

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