米、墜落ヘリの機密漏れ警戒 ビンラディン容疑者殺害で
米軍による国際テロ組織アルカイダ指導者のウサマ・ビンラディン容疑者の急襲作戦中に墜落したヘリコプターから軍事機密が漏洩する可能性を懸念する声が米国内で強まっている。使用したヘリがレーダーに探知されにくい高度なステルスヘリだった可能性が高いためで、ステルス機開発を進める中国側に渡ったとの見方も出ている。
ヘリは同容疑者の潜伏先に到着する際に後部が壁にぶつかり墜落。米軍特殊部隊は墜落後の機体を爆破した。米政府は当初、通常の多用途ヘリ「ブラックホーク」と説明したが、残骸写真を分析した専門家らは「ブラックホークを改良した新型ステルスヘリ」とみる。
爆破された機体は既にパキスタン側に回収された。中国はパキスタンと軍事面での協力関係があり、専門家は同容疑者の潜伏を巡って米政府とぎくしゃくするパキスタン側が中国に情報を提供する可能性を指摘する。米政府は9日からの米中戦略・経済対話で、この問題を取りあげる可能性も視野に入れている。(ワシントン=中山真)