香港で大規模な抗議デモ 40年ぶりテレビ放送免許巡り
【香港=川瀬憲司】香港の中心部で20日、香港政府の約40年ぶりのテレビ放送免許交付に抗議する大規模なデモが開かれた。政府は15日に2社に免許を与える方針を発表したが、既にインターネットで試作のドラマを流して好評を博すなど最有力とされていた香港電視網絡(HKTV)だけが落選。その理由の説明がないことから、市民の反発が広がっていた。
デモはフェイスブックでの呼び掛けをきっかけに広がり、数万人規模に達したもよう。少なめに見積もる傾向がある警察発表では3万6000人が参加した。
香港政府は決定を下した行政会議の討論内容は非公開が原則であることを盾に、具体的な選考の根拠を示していない。当選した2社は大資本をバックに有線テレビ放送を手掛けている一方、HKTVの王維基主席はかつて通信業界に価格破壊をもたらした起業家。香港政府やその背後の中国政府が難色を示したとの観測もある。
香港のテレビ放送は2社の寡占が長く続いたことから、香港政府は競争促進のため新たな放送免許交付の方針を決めていた。