予算案、衆院を通過 小沢系16人欠席、関連法案の再可決は絶望的
衆院本会議は1日未明、2011年度予算案を採決し、与党の賛成多数で可決した。直ちに参院に送付し、予算の年度内の自然成立が確定した。ただ、民主党に会派離脱願を出した小沢一郎元代表に近い16人は予算案を採決する本会議を欠席した。予算関連法案を衆院で再可決できる3分の2の議席確保は絶望的となり、菅直人首相の政権運営はさらに窮地に追い込まれた。
予算案に賛成したのは295人にとどまった。衆院で与党会派の所属議員数は311人だが、民主党会派からの離脱を表明した若手議員16人らが欠席したため、大幅に下回った。16人以外には羽田孜元首相と山花郁夫外務政務官が欠席した。
これに先立ち、28日夜の衆院本会議は自民、公明両党、みんなの党、たちあがれ日本の野党4党が提出した中井洽予算委員長の解任決議案を採決し、与党の反対多数で否決した。
衆院で与党会派の所属議員は311人だが、解任決議案への反対票は293票にとどまった。共産、社民両党は賛成に回り、民主党に会派離脱願を出した16人のうち15人が欠席した。小沢元代表本人も欠席した。
自民党は衆院に11年度予算案の組み替え動議も提出したため、予算案を採決する衆院本会議は1日未明にずれ込んだ。16人は予算案を採決した1日未明の衆院本会議では全員が欠席で歩調を合わせた。
岡田克也幹事長は28日の記者会見で、予算案採決で造反した場合について「厳正に対処する必要がある」と強調。党幹部の一人は「最低でも党員資格停止だ」と語った。衆院再可決に必要な議席数は318なので、16人全員が欠席・棄権すれば予算関連法案の衆院での再可決は絶望的になる。
予算の財源の裏付けとなる赤字国債発行法案など予算関連法案は野党が多数を占める参院で成立のメドが立っていない。政府・与党は予算関連法案を予算案と切り離し、衆院採決を先送りした。