政府、13年度予算案を閣議決定 7年ぶり減額
歳出総額92兆6115億円
政府は29日午後の臨時閣議で2013年度予算案を決めた。一般会計の歳出総額は92兆6115億円で、予算規模としては12年度予算(92兆9181億円、基礎年金の国庫負担分などを含む)と比べると3066億円の減額予算となる。前年度からの減額予算は06年度以来、7年ぶり。地方公務員の給与削減で地方交付税交付金等を減らすほか、生活保護の見直しに乗り出す。半面、東日本大震災の被災地復興や道路、河川の安全確保といった防災対策、省エネルギーや再生エネルギーの研究開発支援などには重点配分した。
税収は12年度当初予算から7500億円増え、43兆960億円となる見込み。13年度の経済見通しは名目成長率が2.7%と実質成長率(2.5%)を上回る前提だが、法人税引き下げの影響や緊急経済対策の減税措置を考慮した。国債発行額は42兆8510億円で、12年度当初予算から1兆3930億円減る。国債依存度は46.3%で、12年度から1.3ポイント低下した。09年度以来、4年ぶりに税収が新規国債発行額を上回ることになり「公債発行額が税収を上回って歳入に充てられるということは避けたい」と述べていた麻生太郎財務相の意向通りの内容になった。政府は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を20年度までに黒字化する目標堅持を13年度予算の基本方針として閣議決定している。13年度予算のプライマリーバランスは23兆2206億円の赤字だが、24兆8968億円の赤字だった12年度当初予算からは改善した。プライマリーバランスの改善は11年度以来、2年ぶり。
過去に発行した国債の償還(借金の返済)や利払いを除く政策経費は、基礎年金の国庫負担分などを含む12年度の71兆3339億円から70兆3700億円に減る。このうち地方交付税交付金等は1.2%減の16兆3927億円。国家公務員の給与削減に合わせ地方公務員給与を7月から減らすことを前提にした。
生活保護は15年度まで3年かけて生活扶助基準の適正化を進める。13年度予算では見直しに伴い、合計で前年度から740億円の削減効果を見込んでいる。すでに10兆円の財政支出を伴う12年度補正予算を編成したこともあって、経済危機対応・地域活性化予備費は廃止した。
増える経費で目立つのは公共事業関係費で、12年度から15.6%増の5兆2853億円。トンネルや橋梁など道路の維持管理を充実させるほか、河川の管理施設も同様に取り組む。民主党政権が導入した地方への交付金を廃止することで公共事業関係費の財源にする。地方への交付金を加味した公共事業関係費は12年度で5兆2285億円。13年度予算では実質的に公共事業関係費が微増となる。
社会保障関係費も29兆1224億円に拡大した。基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げる分を含んでいる。東日本大震災からの復興事業は一般会計とは別に特別会計で予算編成した。15年までの事業費は民主党政権時代の19兆円を超え、25兆円程度に拡充する。財源は日本郵政株の売却収入や剰余金を充てる。
13年度予算案の国会提出は早くても2月末になる見通し。3000ページに及ぶという予算書の作成に時間を取られることが響く。〔日経QUICKニュース(NQN)〕