今年のヒット商品 あまちゃんよりコンビニコーヒー
日経トレンディ
2013年10月31日、日経トレンディが「2013年ヒット商品ベスト30」と「2014年ヒット予測ランキング」を発表した。
ヒット商品ベスト30は、「売れ行き」「新規性」「影響力」の3要素からヒットの度合いを評価し、独自にランク付けしたもの。同誌が1987年の創刊以来、毎年12月号で掲載してきた恒例企画だ。
発表会にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で人気を集めた俳優・福士蒼汰さんと、現在大ブレイク中のタレント・大久保佳代子さんが登場した。
2013年のヒット商品1位は「コンビニコーヒー」
それでは今年のヒット商品ランキングのベスト30を見ていこう。まずは第1位から10位。
続いて、第11位から20位と、第21位から30位。
なぜ「あまちゃん」や「半沢直樹」ではないのか
2013年は「アベノミクス消費」「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)」「半沢直樹」「あまちゃん」など、社会現象にまでなったヒットが続出している。それらを押さえて、なぜ「コンビニコーヒー」が1位なのか。
日経トレンディの渡辺敦美編集長は「『セブンゴールド 金の食パン』がヒットするなど、コンビニの強さが際立ったのが2013年。その象徴的存在が『コンビニコーヒー』」と説明する。
コンビニコーヒーの分野の先駆けはサークルKサンクス。これにローソンやファミリーマートが追随し、最後発のセブン-イレブン・ジャパンは1月から「セブンカフェ」で参戦し、9月には約1万5800店全店への導入を完了した。これにより、業界の勢力図が一気に塗り替わった。セブンカフェは9月末には累計2億杯を達成し、年間販売数は4億5000万杯を見込んでいる。
「『コーヒーはコンビニで買う』文化が浸透したことで、他業界にもたらしたインパクトも甚大。ファストフードや缶コーヒーのパイを奪い、安さ、上質さ、利便性の全てを兼ね備えたことで、絶大な支持を集めた。日本のコーヒー国内消費量は、2013年1~8月で前年同期比6%もアップ。この数字が、コンビニコーヒーがもたらしたインパクトを如実に示しているといえる」(渡辺編集長)
写真で見せます、今年のヒット商品(その1)
続いて、今年のヒット商品の中から、主なものを写真でピックアップ。
写真で見せます、今年のヒット商品(その2)
2014年は消費増税でモノの価値の再定義が起こる
それでは2014年のヒット商品については、どのようなトレンドが予想されるのか。
「2014年のポイントはやはり4月の消費税増税。食品や生活用品など日々の買い物から高額品まで、モノの価値が再定義されることになる。買い物をする際に支払う金額は変わり、新しい値ごろ感が生まれるほか、内容量が減る商品なども登場しそう」と渡辺編集長。
そうした中でも、「『健康』『小容量』『個食』などの要素を含んだ商品は、引き続き消費者に支持される」と同編集長は見る。
「今回の2014年ヒット予測ランキングで1位となった『毎日自作サプリスムージー』や11位「小容量トクホパン」などは、「おいしくて健康」「小世帯や個食」という重要キーワードを併せ持つ商品」(渡辺編集長)
さらに、少子高齢化の流れを見据え、子供を狙って需要喚起をする"少子後継者狙い商品"も注目だという。
「18位『フリクション いろえんぴつ』はベースとなる"消せるボールペン"の技術に小さいころから慣れ親しんでもらい、長期にわたる固定ファンの獲得を狙っている。12位の『軽井沢』は3世代を満足させる仕掛けを提案するもの」と渡辺編集長は見る
「2014年ヒット予測ランキング」1~20位は以下の通り。
(日経トレンディネット 山下奉仁)
[日経トレンディネット2013年11月1日付を基に再構成]
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