河村氏「第三極党」に意欲 「減税」看板下ろし共闘
減税日本を率いる河村たかし名古屋市長と太陽の党共同代表の石原慎太郎・前東京都知事が15日、衆院選に向けた両党の合流を発表した。政策面で隔たりが大きい両党だが、両氏は団結の姿勢をアピール。河村氏は、日本維新の会とみんなの党を加えた「第三極党」(河村氏)の結成につなげたい考えを強調した。
会見で河村氏は「石原大先輩と合意した。既存の政治を打ちこわしたい」と喜色満面で話した。原発問題や環太平洋経済連携協定(TPP)、減税など政策面では相いれない点ばかりが目立つが、「中央集権政治の打破」や「経済の立て直し」を強く訴えた。
石原氏は「最終的には『日本維新』で大連合。統一の党でやれるし、やらないといけない」と話し、16日に日本維新の会の橋下徹代表(大阪市長)と会談することを明らかにした。減税日本からは小林興起衆院議員が同席する予定という。
会見では合流の具体的方法や合流後の組織体制などは説明しなかったが、河村氏は記者団に「維新、みんな、太陽、減税を1つの党にする。まずは2つ」と述べた。自身の国政復帰については明言を避けた。
太陽の党と減税日本の交渉は当初国会内の統一会派結成を念頭に置いていたが、14日に野田佳彦首相が解散を打ち出したことで急展開。減税日本内には「このままでは埋没する」(幹部)との危機感が強く、河村氏が強くこだわってきた「減税」の看板を下ろすことで合流する決断をした。
河村氏がラブコールを送り続ける維新の会は「減税日本に『減税をやめてくれ』とは言えない」(松井一郎幹事長)と冷ややかな態度を崩していない。減税側は、橋下氏が一目置く石原氏との連携を実現させることで、第三極の核になるとみられる維新の会との共闘につながることを期待する。
減税日本が太陽の党に合流する形となり、国政政党化したばかりの減税日本が解党する可能性もある。その場合、愛知県議や名古屋市議ら40人以上の地方議員が所属する地域政党として存続させる案も浮上している。ある愛知県議は「国政は国政、地方は地方で分けるなら、我々にとってもやりやすい」と支持した。