西友、200人の不正受験認める 医薬品登録販売者
大手スーパーの西友(東京)の従業員らが受験資格がないのに医薬品の登録販売者試験を受けていたとされる問題で、同社は6日、東京都内で記者会見し、不正受験を認め、19都道府県で合格した従業員200人が受験資格を満たしていなかったと発表した。同社の店舗ではこれらの従業員の医薬品販売の業務をすべて取りやめたという。
金山亮執行役員は会見の冒頭、「お客様や多くの関係者に多大な心配やご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪した。同執行役員らによると、これまでに同社は勤務時間など受験に必要な実務経験証明書を352人に発行し、このうち実務経験を満たさなかったのは不合格者も含め282人だった。8月末時点で実際に101人が販売業務に従事していた。
金山執行役員は「店舗から提出された実務経験証明書のチェックに不備があった。会社ぐるみではない」と説明。外部の専門家によるチームをつくり、年内にも調査をまとめる方針。
登録販売者は薬剤師でなくても一部の一般用医薬品(大衆薬)を販売できる制度で2009年6月に開始。受験には薬剤師らの管理の下、医薬品販売で1年間、毎月80時間以上勤務することなどが条件で、試験は都道府県が実施する。勤務先が発行する実務経験証明書を提出する必要がある。
厚生労働省によると、受験資格がないことが判明して登録販売者の合格取り消しや受験取り下げになった人はこれまで計168人。不正は過去最大規模になるとみられ、厚労省や関係自治体が調査を進めている。